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第17話
手紙の仕分けを早速始める。
不安だったけれど、
自国と交易をしているのは
限られた国だったようで
実家の交易先とこちらの交易先に
そんなに違いはなかった。
ただ…、手紙が本当に多い。
僕の実家の経営が傾いてたせいもあるけど
何倍もの手紙が同じ日付で届いている。
それからは仕分けしたり、
斎田さんが来て少し休憩をしたり、
していたら夜になっていた。
掃除は掃除で身体がきついけど
デスクワークもそれなに疲れた。
なんだか甘いものが食べたいし。
願いが叶ったのか、今日の夕食には
デザートが付いていた。
日本のお菓子とは違うロシアンクッキー。
ほろほろしている生地と粘度のあるジャムの
組み合わせが異国感があってとても好きだった。
一度、お父様の機嫌がいい時に
お土産だと言って1缶もらった記憶がある。
大切に少しずつ食べていたら
お兄様に残り全て盗られてしまったけど。
「その甘味が好きなのですか?」
ちまちまと食べていたら
いつの間にか斎田さんが横にいた。
「あっ、はい!
唯一、父に貰ったお土産がこれで…
思い出の味なんです」
「そうですか。また旦那様がそちらに行く機会があれば、買ってもらうように伝えておきます」
「え?いや!そんな、とんでもないです!」
「実は今夜も旦那様のお部屋に行くように
伝えろと言伝をいただいております。
その褒美にしても安すぎるくらいです」
「今夜も…」
昨夜のことを思い出して赤面する。
あんなことを今日もするんだろうか?
嫌ではないし、痛くもないんだけど
とっても恥ずかしい。
あんなに恥ずかしい思いをするなら
夜通し掃除をしたり、仕分けをする方が
まだ僕に向いている気がする。
それが表情に出ていたのか、
斎田さんが「お断りしますか?」と
心配そうに顔を覗き込んできた。
断れるんですか!?と、言ってしまいそうになったけど、主様の命を断るなど
言語道断だと思いとどまる。
「い、いえ。ぜひお伺いします」
「昨日よりは遅いとはいえ
朝から働いているのですから
体がきつい時は言ってください」
「はい」
まだ心配そうな顔をしている斎田さんに
迷惑がかからないよう、力強く頷く。
それから、昨日と同じように
主様のお部屋に向かった。
ちゃんと自室のシャワールームで
体を洗っておいた。
昨日触られたところは念入りに。
昨日と違うのは隣に斎田さんがいないということだ。
だって、あんなことをしに行くのに
斎田さんに見られるのは恥ずかしい。
ドアを控えめにノックすると
主様に入るように言われる。
そろそろと部屋に入ると
「1人で来たのか?」と言われた。
「は、はい。恥ずかしかったので」
理由を伝えたがそれすら恥ずかしい。
赤面していると、主様が笑い
ベッドまで来るように手招いた。
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