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第19話※
まだ2日しか袖を通していないその服は
今まで自分が着ていた服よりも
すこし複雑な形をしていて
ただでさえ脱ぎにくいのに
主様に見られていると余計に時間がかかる。
「あ、主様…、そんなに見ないでください」
そう訴えても、主様は不敵に微笑むだけで
全く視線を逸らしてくれない。
でも、不機嫌そうではないから
もたついている自分に怒っているわけでは
ないのだろう…
シャツのボタンをなんとか外して脱ぐと
「下もだ」と主様が楽しそうに言った。
「せめてあちらを向いてください」
「何故だ?」
「さすがに下は恥ずかしいです」
「手伝うか?」
主様に脱がされるところを想像して
慌てて首を振った。
そんなことされた日には死んでしまう。
意を決して僕は下着ごとズボンを下げた。
ぎゅっと目を閉じたまま固まっていると
主様に抱き寄せられた。
「スイ、偉いぞ」
「うぅ…」
甘やかされている…
でも嬉しい。
主様に褒められると胸がキュンとしてしまう。
「目を開けろ」
言われるがままに目を開けると
ドアップの主様の顔があり
また顔が熱くなる。
「真っ赤だな。スイの髪みたいだ」
主様が笑いながら頬を撫でる。
この人は自分の顔を見たことがないのか?
こんな顔で優しくされたら誰だってこうなるに決まっているのに。
「顔が近いです!無理です!」
「…、私の顔は嫌いか?」
「ちっ、違います!良すぎて無理…」
「変なことを言う」
主様はよく分かっていないみたいだ。
ずっと顔が近いままなので
僕はまた目を閉じてしまう。
と、主様の手が僕の胸あたりは這う。
その指が僕の胸の飾りを掠めると
体がびくりと跳ねてしまった。
「あっ…、やだっ。そこ、ダメです」
身を捩らせて手を避けようとするけど
手が離れてくれることはない。
それだからか執拗にそこを弄られる。
「やぁっ…、主様っ、そこ変なので、
やめてくださっ」
「スイがこちらを見てくれないからな。
それにこれは変じゃない。
気持ちいいって言うんだ」
気持ちいい?
それってふわふわの布団に触った時とか
お風呂に入ったりする時に感じるけど…
これはそういうのとは違う気がする。
やっぱり、変だと思う。
「きもちくなっ、い」
「そうか?でも、ここは反応している」
片手が胸から離れたかと思ったら
今度は下の屹立に触れた。
いつの間にか立ち上がっていたそれは
主様に触られたことで
腰に電気のようなものが走った。
「ひゃあっ!?そこ、だめっ」
これも気持ちいいなの?
そんなふうに思ったけど
主様の手が止まらないので
僕は変な声を出し続けることしかできない。
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