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第27話※
そしてまた主様が抽出を始めた。
ドアの開く音と「どうなさいました」という斎田さんの声が聞こえた。
それ以上近づかれたら
ベッドにいる僕が見えてしまう。
震えていると
「斎田が来てから随分と締まりがいいな」と
主様が皮肉な笑みを浮かべている。
違うのに。
見られたくない恐怖で
体に力が入っているだけなのに。
ひきつれるようなお尻の痛みよりも
胸の痛みの方が辛い。
「旦那様…、これは一体
どういうつもりですか?」
僕の頭上で声が聞こえて
斎田さんがベッドのすぐ横に
立っていることに気づいた。
そちらに視線を送ると目が合った。
斎田さんは険しい顔でこちらを見ている。
こういうことをしてるということは
斎田さんも知っているはずだけど
見せられて気持ちのいいものではないと思う。
「主様、やめてください」
泣きながら懇願しても
主様は止まってくれない。
誰も言葉を発さない中、
ぐちゅぐちゅという音と
僕の短い喘ぎ声だけが聞こえる。
声も出したくないのに
生理的に漏れてしまう。
「このようなこと…、スイさんが可哀想です」
「可哀想?スイは誰が主人か分かっていないようだぞ。こうするのは当たり前のことだ」
「スイさんは賢いので分かっています。
私に向ける感情は親に向けるそれと同じだと私は思っています」
主様と斎田さんがなにか言い合っているけど
止まらない抽出のせいで僕は頭が回らない。
最初は苦しかったけど
気持ちよくなってしまって
なんとか快感を逃すのに精一杯だ。
僕が身を捩っていると
主様が気に食わなかったのか
僕の膝裏を僕の顔の横まで持ち上げた。
いわゆるちんぐり返しの体勢だ。
とにかく息が苦しい姿勢なのに
そうすることで主様が全体重をかけて
僕を貫くことができる。
最初の一突きで僕は内臓を内側から
押し上げられたのではないかと思うほど
衝撃を受けた。
「ひゃあぁぁぁ!!?」
悲鳴のような声が漏れる。
あまりの大きな声に自分でも驚いて
声を止めようとするが
体勢のせいで手は使えないし
衝撃を逃すこともできない。
数回、出し入れされるたびに
悲鳴のような声が漏れた。
これ入っちゃいけないところまで
入ってしまっている気がする。
今まで聞いたことないような
グポッグポッという音が
僕の体内から聞こえる。
「これっ、怖いぃ。やだっ、ひゃあぁぁ!?
あるじさまぁっこれぇぐるじぃ…」
半狂乱になりながら訴えても止まらない。
「旦那様!!」
「斎田。私はそこで見ておけと言ったんだ。
邪魔をしていいとは言っていない」
「…しかし!スイさんが壊れてしまいます」
「私が責任を持って世話をしよう」
「っ…」
僕の悲鳴の端々で主様と斎田さんが
会話する声が聞こえる。
もう…、無理かもしれない
そう思ったところで意識が途絶えた。
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