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第71話

ゆっくりと僕を布団に下ろした主様は、僕のおでこに手を当てた。 「熱があるな。いつからだ?」 「分からないです。ここ最近、ずっとこんな感じなので、大丈夫です」 「ずっと?…、早く医者を呼ぼう」 「本当に大丈夫です!休めば良くなります」 踵を返そうとした主様の腕を掴む。 こんなことでお医者様を呼ぶわけにはいかない。 今までも熱が出た時は数日で治っていたし 以前に引いた風邪よりも辛くはない。 「明日も治らなかったら必ず医者を呼ぶ。 辛くなったらすぐ言いなさい」 「はい」 ピシャリとした言い方だけど 僕の頭を撫でてくれる主様の手は優しい。 そのうち、主人様が触れたところが ビリビリと痺れてきて 手の動きに合わせて声が漏れ始めた。 「スイ?どうした?どこか痛いか?」 「ちがっ…、ひゃうっ…。主様が触れたところが」   そう言うと、主様の手が離された。 「あ…」と名残惜しそうな声が漏れる。 変な感じがするけれど、もっと触って欲しい。 「やっ…、やめないで」 「スイ…、体調が悪いのは分かるが、 そういう反応は少し困る」 主様が困ったように笑い、手がもう一度頭に触れる。 「ふぁ…、きもちぃ…」 その手に思わず頰を擦り寄せた。 ピクリと手が反応した。 「スイ…」 気持ち良さげに目を閉じていたが 主様の反応が気になり、目を開けた。 主様は射抜くような目で僕を見ている。 熱があるはずなのに、 肌だけじゃなくて もっと中まで触って欲しい。 「スイ…、これ以上は優しくできない。 悪いが、少し部屋を出させてくれ」 「…、優しくしなくていいです。 だからもっと触ってください」   「…っ」 主様は目に熱を宿しまま、 苦しそうな表情で僕を見つめ、 僕の頰に手を添えた。 その長い指先に僕は舌を這わせた。 主様は一瞬、息を飲んだが ボタンを外すのも煩わしそうに 僕の服を脱がせた。    

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