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第73話※

「今日はここまでにしておこう」 「な、なんでですか!?」 「…、体が変化してすぐに無理をさせるわけにはいかないだろう」 「止めないでください」 この状態で放置は酷いと思う。 変化が起こるまでは、途中で放り出されても、慰めかたを分かっていた。 でも、この下腹部の疼きはどうやって治ればいいのだろう。 目にいっぱい涙を溜めて主様の目を見る。 主様は困ったような顔をしていたけれど根負けしたのか、僕を抱きしめた。 「こんなに可愛いお願いを無碍にできるほどの理性は私にはない。 スイが悪いからな。 ただ、辛かったらすぐに止める」 僕はもう待てなくなり、必死に頷く。 すると、ゆっくりと主様の指が僕の中に入ってきた。 「んんっ」 「痛いか?」 「痛くないです」 いつも使っている所に入れるよりは違和感があるけれど、初めて後孔を使った時ほど苦しくはない。 これだけ濡れているのだから、当然なのかも知れないけど。 十分すぎるほど、慣らされて 僕の声もう掠れ始めていた。 「も、入れてください」 「無理してないか?」 「欲しい」 「…、覚悟しろよ」 先端がそこに当てられ、ぐっと僕の中に押し入ってくる。 後孔とは違う圧迫感に、僕の腰が浮く。 メリメリと音がしそう。 「苦しいか?」 「少し…、くるしっ」 「悪いが止められないからな」 「息をしろ」と、主様が僕の頭を撫でる。 その手の動きに合わせて深呼吸をすると、体が弛緩した。 のを見計らって、主様が全てを僕の中に挿れた。 「ひゃあっ!?」 その衝撃で僕の体は魚みたいに跳ねた。 「挿れただけで達したのか?」 「んんっ、動いちゃダメです」 僕の意思に反して跳ねる体をなんとか治めようとしているのに、主様は意地悪な顔をすると「痛くないなら手加減はしない」と、抽出を始めた。 掠れた僕の嬌声と水音が響く。 頭がぼんやりしてきた。 主様の表情で、そろそろ限界そうだと言うことがわかった。 早く、中に欲しい… そう思うと自然にお腹に力が入る。 「くっ…、スイっ」 「主様っ、くださいっ」 主様は息を吐くと、僕の中から出て、 外に白濁を出した。 「っどうして!?」 僕は半ば叫ぶような声を出す。 主様は限界だと言うように僕の上に倒れ込んできた。 それを受け止めつつも、責めるような声が出る。 「どうして…」 唇を噛んでいると、いつの間にか体を起こした主様が僕の唇に指を這わせた。 「そんな顔をしないでくれ。 私はまだ、スイと2人がいいんだ」 「え?」 「もう少し、スイとの生活を楽しませて欲しい。今、子ができたら、私は嫉妬してしまうだろう」 「なっ…、そ、そういうことなら良いです」 僕はツンとした声を出したけど、内心は少し嬉しかった。 僕も、もう少しだけ、純粋に主様との時間を過ごしてみたい。

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