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「そんなこと見ず知らずの貴方に言われなくても、彼は俺と二人で朝食はしっかりと食べましたよ。しかも彼の手作りの味噌汁を。――ね、槐君」 「う、うん」 「ふーん、そうなんだ。二人で朝食を? へえ~……」  代わりに柴がサラリーマンに(マウント全開で)言い返した。  なんとなく誤解を生みそうな言い方だったが――近くで聞いていた乗客達は二人が朝まで一緒に過ごす深い仲であると瞬時に悟った――礼二郎にはツッコむ元気もない。 「ていうか君、昨日も邪魔してくれたけどこの子の彼氏か?」 「……違いますけど」  何故か柴とリーマンは喧嘩腰で、礼二郎は意味が分からない。霊の声は相変わらず続いている。というか…… 『許さん、このクソリーマン、殺す、絶対殺す、ぶち殺す……』  もう既に脳内ではなく、直接隣ぐらいの位置から聞こえていた。 (ひいぃ、声が近い近い……ッ!! え、リーマン? さっきから許さないってのは、もしかしてこの人のことを言ってるのか?) 『そうよ……』 (返事した──!!!)  頭痛は若干マシになったものの、初めて霊と意思疎通を交わしたことに、礼二郎は少なからずショックを受けた。

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