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17:真相①

騒ぎを聞きつけてか、駅員が二名礼二郎たちの元に走りよって来た。 「大丈夫ですか!? もしかして電車と接触しました!?」 リーマンが座り込んで腕をさすっていたので、どうやら電車と掠ったと思われたらしい。 「いやその、なんてゆーかそこの彼の愛が強くてですね」 「は? そちらの方は大丈夫ですか!? 何やらフラフラですけど!」 駅員はリーマンに向けて一瞬『何言ってんだこのオッサン』という顔をしたあと、礼二郎の身を案じてくれた。 「だ、大丈夫です」 「すみません。ただの痴情の縺れなので、放っておいてください」 「ち!?」 礼二郎は誰と誰がどう縺れたんだ!? と柴にツッコもうとしたが…… 「ちょ、ちょーっと彼の愛は僕には重すぎるようだから、やはり彼は君に任せることにするよ、メガネ君 !」 リーマンは柴にそう言いながらそそくさと立ち去ろうとしていた。礼二郎にはさっきから二人のやりとりはさっぱり意味が分からないが、しかしひとつだけ、リーマンに確認したいことがあった。 「あの、おじさん!」 礼二郎は柴に支えられたまま、逃げようとするサラリーマンの背中に声を投げかけた。 「な、ななな、なんだい……?」 サラリーマンは一瞬ビクッとして礼二郎に怯えている様子を見せたが、おそるおそる振り返って返事をしてくれた。 「この駅で起きた人身事故に……その時亡くなった女性に、心当たりはないですか?」 「え?」

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