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21:勘違い①

急に無言になった礼二郎を見て、池永が突如聞いた。 「……礼二郎、もしかしてお前、最近童貞卒業した……?」 「は?」 「いや、なんか今すっげぇ色っぽい表情してたからさ……あっ、もしかしてさっきの柴君とはそういう関係なのか!?」 「何? どういう関係??」  池永は昨日の合コンで礼二郎が帰ったあと、ちえりの呼んだ女子達から『礼二郎君って絶対ゲイだよ、どんだけボディタッチしても無反応なんだもん!』と言われたのを思い出した。  『それはねぇよ』と一応友人として否定したのだが、本当だったのか……! と驚愕した。女の勘とやらにも感心した。 「お前が下なら別に勃たなくても出来るもんな。――あ、だから俺さっきちょっと柴君に睨まれたのか……やっべ、あんまベタベタせんとこ……」 「??」  池永が何かを悟ったようにブツブツ言っているが、礼二郎は彼が何を言ってるのかさっぱり分からない。  礼二郎は1人納得している池永をジロリと睨んだが、『良かったな礼二郎』と祝福するように背中をポンポンと叩かれて、ますます困惑した。 (俺に新しい友達が出来て良かったってことか……?) 礼二郎は友達は多い方ではないが、ぼっちだったこともない。なのに池永から友達を作るのが下手だと思われていた(?)ことに軽くショックを受けた。

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