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②
「……まあ、うん、良かったよ。これでもうゴキに怯えずに済むっていうか……柴君と仲良くなった理由はそれだけじゃないけどな!」
ゴキ退治のためだけに友達になったのではなく、純粋に柴という人間が気に入ったから友達になったので、勘違いはしないでもらいたい。
しかし池永は、礼二郎がゴキがどうとか言うのは単なる照れ隠しだ、とピンときた。(きてない)
「お前ってそういうとこあるよな、ちょっと柴君の気持ちが分かるような……いやいや、俺はちえりちゃん一筋だけどさ!」
「なんかよく分からんが聞け池永。柴君はな、ゴキからだけじゃなくて、れ……痴漢からも俺を守ってくれるって言ってくれたんだぞ! 凄いだろう」
思わず『霊からも』と言いかけたが、なんとか回避した。とにかく、いかに柴が親切な人間であるかというのを池永にアピールしたかったのだ。
(うっかりゴーストバスターだってこと、バラさないようにしないとな。それが一番自慢したいとこだけど)
「へ~! ……つーか礼二郎、痴漢に遭うのかよ」
「そうだ。笑いたければ笑うがいい」
柴に『笑い事じゃないよ』と言ってもらえたせいか、別に池永に笑われたって構わない気がした。
「笑わねぇよ。やっぱりお前くらいの美形だと男でもそんな目にも遭うんだな、別に俺にも言ってくれれば守ってやったのに」
「え」
柴とまったく同じな池永の反応に、礼二郎はキョトンとしてしまった。もしやイマドキ男が痴漢に遭うのは、別に笑えることではないのだろうか……。
礼二郎は時代遅れな考えの自分を少し反省した。(やられる側ではあるが)
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