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28:突然のお知らせ

柴の言葉にドキドキしながら、柴に続いてその生活空間にお邪魔した。 「わ、ぁ……オシャレな部屋だなぁ」 「そう?」 「うん、ゲーノージンの部屋みたいだ」 「こんな狭くないでしょ(笑)」 柴の部屋は自分と同じ間取りだと言うのに、比べ物にならないくらいスタイリッシュな部屋だった。まるでモデルハウスのようだ。言い方を変えれば、生活感がない。  ふかふかのグレーのラグにシンプルな勉強机とセミダブルのベッド(これがかなり場所を取っている)、小さな本棚。  主な家具はそれだけだが、その一つ一つには高級感が漂っている。(特に椅子とベッドが高そうだ) 「ていうか柴君、物少なくないか?」 「うん、なるべく身軽でいたいからね。特に手はかからないけど虎鉄もいるし、それにここに住むのは二年間だけだから」 不動産屋の渡邉に破格で住まわせて貰えるのは次の更新までだ。だからその次は新たな事故物件に住もうかと考えている。(もちろんそこも格安で貸してもらう予定だ) 「え……柴君、引っ越すのか!?」 「あ、うん。次の更新まではいるけど」 「そ、そんなぁ……!」 礼二郎は昔の少女漫画のように顔を蒼くしてガックリと項垂れた。同じ大学に通っているのでこれからも友達ではいてくれるだろうが、住まいが離れてしまってはこれからゴキも痴漢も霊もどう対処すればいいのだろう。 もちろん柴に会うまでゴキは自力でどうにかしていたが、霊に関してだけは自分ではどうすることもできない。礼二郎はもう、柴と離れることは考えられないのだ。

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