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 暫くしてパトカーの音がして、数人の警察がお隣に来たかと思ったら、パトカーの台数も警察の人数もどんどん増えて行った。 救急車もいて、窓の外には何事かと野次馬もわりと沢山来ている。 「な、なんか俺たち、ここにいていいのかな?」 「と言っても、他に行く場所もないしな……ていうか朝までこんなんだったらヤバいね、気になって寝るに寝られないし」 「京介はこういうの慣れてるんじゃ……?」 「俺が経験あるのは遺体を発見して通報する所までだよ。自分の住んでるところでってのは初めて。人が死ぬと警察ってこんなに来るんだね」 「そ、そうなんだ……」 (何度も遺体を発見してるって、コ〇ンばりの遭遇率だなぁ……京介とコナ〇との共通点、メガネだけだけど……) 礼二郎は、身体は子どもで頭脳は大人の柴を想像した。わりとかわいい。 そして柴がいつも冷静沈着でクールなのは、こういう経験を人よりもしているからなのかな、と思った。 (俺もこういう経験を積めば、京介みたいにビビらないようになるのかな……いやいや、怖い経験とかなるべくしたくないけど!) そして、インターホンが鳴った。 「き、来たっっ」 「礼二郎落ち着いて。はい、深呼吸」 「うんっ、スーハースーハー」 「それ深く吸えてる??」

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