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②
というか、このマンションが幽霊マンションと呼ばれているのも初耳だった。
妙に家賃が相場よりも安いなとは思っていたが、俺が学生だからかな? ラッキー! とかのんきに思っていたのだ。
(両隣とも、いや、ほとんどの部屋が事故物件なんて……そんな事ある??)
一応事故物件かどうかを簡単に調べられる便利なサイトが世の中にあるのは知ってているが、怖くて調べられないのだった。
「──礼二郎、今夜うちで寝るかどうか迷ってるの?」
ドッキーン。
まだ何も言っていないが、柴にはバレバレだった。
「う、うん……」
「この部屋で一人で寝てたら、亡くなったお隣さんが夜中に訪ねてくるかもしれないよ」
「なんでそういうこと言うのぉ!?」
「あ、自分のカラダがある病院とかもしくは実家に行ってるかもしれないけどね!? もしくは自分を追い詰めた上司のところとか」
「是非そっちに行ってほしい……」
礼二郎はお隣の壁に向かってナムナムと言いながら合掌した。
「──ていうか、京介は霊を成仏させてやれないのか? 除霊って成仏?」
「成仏とは違うなぁ。俺はただ追い払うだけ、文字通り除霊なんだよ」
「そうなのか……」
礼二郎は柴が成仏させられる訳じゃない、というのに少し驚いた。
「俺は修行をしたわけじゃないからね。そういうのは政宗が得意なんだ」
「マサムネって……お兄さん?」
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