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②
怖いものが多くて殻に閉じこもり、他人との線を引いたのは自分だ。だからこんな状況になったのも、全部自分が悪いのだ。
(誰か助けてって……助けを求めても、誰が俺を助けてくれるんだっけ……)
一度だけ、軽率に他人を信用した。家族と同じように信じて貰えると思ったから。
だけど……
『礼二郎は嘘つきだ!』
『霊が視えるなら、あの有名なお化け屋敷に連れて行こうぜ!』
『そこで霊と仲良く暮らせばいいじゃん!』
信じて貰えなかった。
だから、こんな場所にいるのだ。
(ああ、嫌だ……)
涙が零れる。
怖いものは全部嫌いだ。
でも、でも……
(人間は、もっと嫌い)
「──礼二郎、礼二郎!」
激しく揺さぶられて、礼二郎はハッと目を開けた。
「しばく……京介?」
「大丈夫? 凄く魘されてたよ」
「え……?」
まだ、カーテン越しの窓の外は暗い。
「今って……何時?」
「まだ4時過ぎだよ、もう少し寝よう」
「……」
「怖い夢でも見たの?」
京介の大きな手が礼二郎の頬を拭った。どうやら泣いていたらしい。
礼二郎は、涙を拭いて離れていこうとしたその手を取ると、もう一度自分の頬を包むように当てた。
「礼二郎?」
「ごめん、嫌だろうけどちょっとだけ手、貸して……」
「あ、いや、全然構わないよ。びっくりしただけで嫌なわけないし……」
礼二郎は目を閉じて、夢の内容を思い出そうとした。
けど、何も思い出せない。凄く恐ろしくて嫌な想いをしたことしか……。
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