33 / 38
第十一章① 父子
⚠ファザコン息子×倫理観欠如パパの絡みがガッツリあります。最終的に3Pになります⚠
薫が疲れて家に帰ると、赤鬼みたいな形相で目を吊り上げた真純に出迎えられた。
「あんた、今の今までどこに行ってたんだよ」
どこも何も、薫は実家に帰っていただけである。肇に言っておいたし、真純も知っているはずだ。昨日のうちに帰る予定が朝帰りになってしまったことは薫の落ち度だが、取り立てて咎められるほどのことでもない。
「怒んないでよ。真純の好きなお土産買ってきたからさ」
薫が言うと、真純は適当にあしらわれたと思ったのか、ますます怒った様子で部屋に引っ込んでしまった。薫はやれやれと溜め息を吐き、ジャケットをハンガーに掛けた。
このところ、真純は絶賛反抗期だ。元来パパ大好きっ子であるため、肇に対しては甘えた表情を見せることが多いが、薫に対してはかなり辛辣である。洗濯物を分けろなんて女子みたいなことは言わないが、ライバル心を剥き出しにして食ってかかってくることがある。
パパが大好きだからこそ、父親を奪った薫に対抗意識を抱いているのかもしれない。男の子には成長過程でそういった段階があると聞く。薫は経験したことがないので分からないが。
*
主寝室のドアが乱暴に開く。毛布に包まってうとうとしていた肇は、ふと目を開けた。
「……真純ィ。もう起きてんのか」
「……」
この頃口数の少ない息子だが、今朝は特にご機嫌斜めらしい。むっつりとした仏頂面で、普段肇と薫が二人で使っているキングサイズのローベッドに飛び乗ってきた。
「何だよ。父ちゃんの腕枕が恋しくなったか?」
「……」
「それとも、怖い夢でも見たのかよ。トイレはついてってやんねぇぞ」
「……」
肇が揶揄っても、真純はむすっと押し黙ったままで、肇の上へ馬乗りになるようにして覆い被さってきた。
「……親父」
「んだよ。やっぱ添い寝か?」
「……違う」
いつになく、真純の目は真剣だった。
「……おれ……親父で筆下ろししたいんだ」
「…………は?」
思いも寄らぬ爆弾発言に、肇はフリーズした。筆下ろしってのは、つまり、童貞が初体験を捧げるアレのことだろうか。真純の今の体勢から考えても、それ以外の意味は思いつかない。
「……何言ってんだお前」
「本気で言ってる。おれ、初めては親父とがいいって、ずっと思ってたんだ」
「……つってもなぁ……お前、俺に勃つのかよ」
「たっ……たつよ……」
真純は顔を赤らめて、もじもじと口籠った。童貞らしい初々しい反応だ。
「親父昨日、あいつとヤるためにケツ準備してたろ」
「おま、んな言葉使うなよ。つか知ってたのかよ」
「知ってるに決まってるだろ」
「マジかよ。いつから」
「いつって……今はんなことどうでもいいだろ」
「……そうかもな」
真純の手によりズボンを下ろされ、肇の尻は既に露わになっている。真純の本気がひしひしと伝わってくるし、肇も不思議と抵抗感はなかった。いつか女を抱く日のために父親の尻で練習しておきたいと大切な一人息子が言うのなら、応えてやるのが男というものだろう。
「……まぁ、じゃあ、ゴムは着けろよ。紳士の嗜みだ」
肇がベッドサイドの棚から避妊具を取って渡すと、真純は渋い顔をして受け取った。
「こっちが表で……ああ、いい。俺が着けてやる」
息子の息子が父親の尻を前に大きくなっているなんて、摩訶不思議な光景だ。薫のサイズに合わせて買ったものだから真純のそれにはだいぶ緩かったけれど、ともかく、付け根までしっかりとスキンを装着させた。
「おら、来るなら来い。途中で萎えんなよ」
肇は自ら四つん這いになり、真純に尻を向けた。挿入しやすいよう、尻たぶを掴んで穴を拡げる。昨晩散々自分で弄くって達せないままでいた穴がはしたなく疼いた。
「んっ……はは、悪くねぇな。そのまま奥まで挿れてみろ」
「っ……親父、おれ……」
真純は熱っぽい吐息を漏らす。肇の腰を掴む手がじっとりと汗ばんでいる。
「無理すんな。すぐ出してもいいんだぜ。薫なんか、初めての時は三擦り半も持たなくて……」
同じ頃の薫と比べても、真純のサイズは幾分物足りない。比較対象が悪いといえばそうなのだが、それにしても可愛らしい。こんなもので女を満足させられるのだろうか、と余計な心配をしてしまうが、それでも、大事な息子の息子というフィルターがかかっているせいか、肇にとっては十分満足できるものであった。
こうして真純にばかり気を取られていたから、気付けなかったのだ。般若の形相でベッドを見下ろす薫の存在に。
ともだちにシェアしよう!