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「てめっ!何てことをっ!!」
「やったのはてめぇだろーが」
バット男を捨てて笑ってやる。
「ほーら、お前一人だぞ?佐尾 !八人じゃ圭斗には足んねぇって!せめてもうちょい骨のあるのを連れて来いよ」
「あ?亮雅の知り合いかよ?」
亮雅が名前を呼んだのに反応すると、目の前の佐尾とやらはまたワーワー騒いだ。
うるさ過ぎる。
「先月ボッコボコにしたのに忘れてんのか?」
亮雅は煙を吐いてケタケタと笑った。
「てめぇらフザけんなよっ!!」
「フザけてんのはお前だろ?いいのか?お前は一人になったけど、こっちは圭斗と俺、二人だけど?」
ピッと亮雅がタバコを捨てて立ち上がる。
靴で踏んでその赤い髪を掻き上げると、佐尾はビクッと肩を揺らした。
亮雅はカバンを二つ左手でまとめて持ってただ歩いてくるだけ。
それなのに佐尾はギリッと歯を鳴らす。そして、
「次はぜってぇ殺す!」
ダセェ捨て台詞と共に倒れたり呻いている奴らは捨ててさっさと走り去った。
「何だ?あれ」
「ククッ、次は何人連れて来るかねぇ?」
亮雅は俺の方にタバコの箱を差し出して笑う。
「面倒くせぇな」
一本抜いて咥えると、亮雅は使い捨てライターを近づけてきた。
「次は鉄パイプとかナイフとか出してくるんじゃね?」
俺のと自分も咥えたタバコに火をつけてライターをしまう。
「ダリ……」
やたら青い空と太陽が眩しくて目を細めた。
梅雨らしいジメジメしたのもイラッとするが、この爽やかな空も苦手だ。
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