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結局のんびり一服して学校に向かった俺たち。
着いたのは一時間目の途中で何となくその早さに落ち着かない。
普段なら気にもしなかっただろうが、昨日獅子谷に言われたばかりなのが気になっていた。
「チッ」
舌打ちしてとりあえず目の前の下駄箱を蹴る。
「どーした?」
「何でもねぇ」
言いつつ変なむず痒さを感じていた。
このまま素直に教室に行くのは癪な気もする。
「……先に吸ってくる」
上靴を履きつつ口にタバコを咥えてクルッと向きを変えると、目の前に獅子谷が居てさすがにびっくりした。
「学校で堂々と……まぁ、遅刻ですがいつもよりは早いですね?」
口からタバコを抜かれて素早いその動きにまた驚く。
そして、腕時計を確認しながら微笑む学校仕様の獅子谷にイラッとした。
「てめぇ……」
睨んでも獅子谷は一切表情を変えない。
「八神 は僕が今登校を確認したので教室へ行って下さい。椎堂は指導室へ」
言われた亮雅はこちらに視線を向けてきたが、俺が舌打ちしてスラックスのポケットに両手を突っ込むのをただ見ているだけだ。
教室に歩いて行かない亮雅を見て、
「先行ってろ」
俺のカバンを押し付けると、亮雅は小さく息を吐く。
「言うこと聞くのか?デリヘルのことで強請 るか、一発当てて少し脅してやれば……」
「うるせぇな!先行けっつってんだよ!」
睨むと亮雅はいつものように左脇に二つカバンを抱えて歩いて行った。
亮雅が言いたいことはわかる。
ただ、どっちももう無効だったとは口にしたくなかった。
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