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 人数を数えるのも面倒なくらいで反吐が出る。 「謝るならある程度殴るくらいで許してやるぞ?」  ニヤリと笑う佐尾の顔面に拳を打ち込んでヘコましてやりたい。 「よくこんなベタな場所見つけたな」  イラつくのを押し留めながらグルリと見回してため息を吐いた。 「明日から期末テストだから帰って勉強しねぇとなんだけどな?」  のんびり言う亮雅のセリフに気持ちは全くこもっていない。  笑ってしまうと、佐尾は力いっぱい鉄パイプで床のコンクリートを殴った。 「何がテストだ!殺すぞっ!!」  歯を剥き出しにして佐尾が怒鳴ると、周りの男たちもガンッと鉄パイプを鳴らしたりそこら辺を蹴る。  パッと見ナイフはないようだが、鉄パイプやバット、ゴルフクラブ……更にこの人数だし、まともに食らったらさすがにヤバいかもしれない。 「圭斗、ちょっとキツいか?」 「どうだろうな?」  肩越しに小声で言い合って笑うしかない。  こんな人数さえ把握できないほどの数に加えてほとんどが武装した連中だ。  無傷でなんて無理だろう。  最悪も……あり得る。 「お前の目的は俺か?なら亮雅は関係ねぇだろ?」  佐尾に話し掛けてみると、佐尾はニヤニヤと笑った。 「仲間は助けてくれってことか?八神ぃ!よかったな!優しいお友達でよ!……でも、八神にやられたとか、女盗られてキレてる奴らも居るからよぉ?」 「へぇ……」  俺がカバンを落としたと同時に俺たちは拳を握った。  

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