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「獅子谷?」  亮雅が驚きの声をあげる。  軽々と向かってくる男たちを倒した獅子谷は俺の元に来て背中合わせになった。 「お前、大したことねぇのかよ」 「うっせ!伝説の男と比べんな!」  そのまま鉄パイプを渡されて受け取る。 「だから、そんな黒……」 「俺の憧れだっつのっ!」  バッと獅子谷から離れて向かってくる男の鉄パイプを受け止めて腹を蹴り飛ばした。  側にあった棚をなぎ倒して、四人がかりで殴りかかられている亮雅の元へ走る。  ゴルフクラブを持っていた男の背中に飛び蹴りを食らわすと、そのままの勢いで亮雅の襟元を掴んでいた男に鉄パイプを振り落とした。 「圭……」  左足を引き摺っている亮雅を俺の背に隠して左からきた男に右ストレートを打ち込むと、亮雅の手からバットを取って右の男の腹を殴る。 「お前、頭から血……」 「うっせ!さっさと終わらすぞ!」  亮雅を黙らせてから雑に拭って振り返ると、獅子谷が男を投げてきた。 「おい……そこは生け捕りとか残しとくんじゃねぇのかよ?」  投げられたのは既に気を失っている佐尾。  見た目は何ともなさそうだが獅子谷の拳を思い出してブルッと震えが走る。 「いいからこれで終わりだろ?さっさと帰るぞ。現役教員がケンカとかシャレにならねぇだろーが!」  デリヘルはしれっとしている癖に?  ツッコみたかったがネクタイを拾うその背中がやけにカッコよくて、ただ黙って亮雅に肩を貸しつつ後を追った。

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