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 電車を降りて改札から出てくると、駅前の花壇前に見慣れた赤髪を見つける。 「お前、帰ったんじゃねぇのか?」 「いや……ま、な」  曖昧な返事を聞いて隣に腰を下ろすと、亮雅は少し視線を彷徨わせた。 「何、彼女でも来んの?」 「違う。そんなん居ないってお前も知ってるだろ?」 「いや、祐生にはできたっつーからお前も居たっておかしくねぇじゃん」 「あいつと一緒にすんな」  ムッとした亮雅の文句を聞きながらあくびをして立ち上がる。 「帰んねぇの?」  座ったままの亮雅に聞くと、 「……帰るけど」  亮雅は立ち上がって俯いた。  足が痛いのかと肩を亮雅に近づけると、それは素直に寄りかかってくる。 「いつからここに居たんだよ?」  聞いても亮雅は口を開かない。 「お前、今日俺に会えなくて寂しかったのか?どんだけ俺のこと好きなんだよ」 「違うっ!!」  亮雅が慌てたことに少し驚く。 「……てか、お前ん家どっちだよ?よく考えたら俺、お前の家も知らねぇぞ」  歩き出そうとして聞くと亮雅はこっちを見ていつもの調子でフッと笑う。 「俺のことはいいんだよ」 「お前、いつもそう言うけどさすがに知らなきゃ送れねぇだろ?」  同中で一緒に居ることが多かったのに何も知らないのはこいつが何も言わないからだ。 「別に送りなんて要らん」 「へぇ……意地でも送ってやる」 「はぁ!?」  グッと脇から腕を回してしっかり抱えると亮雅は口を引き結んでそっぽを向いた。

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