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「お前、埃っぽいとこ好きだな」  薄暗くて紙なども散乱した室内。  当然管理なんてされていなくて置きっぱなしの机の上には目視できるほど埃が積もっていた。 「ゴチャゴチャうるせぇっ!」  佐尾はナイフを胸ポケットにしまっていたが、他の三人はまだ刃を出したまま。 「椎堂。ボコボコになって謝れ」 「あ?何で?」  笑ってやると、背後に居たスキンヘッドの男が背中にナイフを当ててきた。 「おい、まだ刺すなよ」  佐尾が笑ってもシャツ越しにまだ刃は当たったままで離れる気配はない。 「佐尾さん、準備OKです」  俺の右隣に居たのが離れて行ったが、見える位置でスマホを構えている。  その画面を確認して頷くと、佐尾はニヤニヤしながらこっちに歩いてきた。 「逃げたり抵抗するなら八神たちを刺すからな?」  左に居た男がガムテープで俺の腕を背中にやって巻く。  意外とキッチリ止められていて腕は動かなかった。  そのままスキンヘッドに膝裏を蹴られて床に膝を付いてしまう。  イラッとして足を伸ばしてやりたくなるのを何とか堪えた。  たぶん亮雅はナイフで襲われたって撃退できるだろうが、祐生は無理だ。  ケンカってだけでビビるし、女連れなんて下手したらその女の後ろに隠れる可能性だってある。 「おい!ぼーっとしてんなよ?」  グイッと顎を上げられて睨みつける間もなく右の顔面に衝撃が走った。

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