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 シャワーを浴びて出てきても、獅子谷はまだ眠っていた。  その白い裸身に今更ながら布団を被せる。  すると、獅子谷はフッと少し笑みを浮かべて布団の中に潜り込んだ。  何でそんなかわいいことをする?  ベッドに俺も腰掛けて、ついそのサラサラの黒髪に手を伸ばしていた。  ずっとこの髪が金髪の長髪で風に揺れつつ、大男を倒していく姿に憧れていた。  この意外と長いまつ毛も……この鋭い目付きにドキドキしていた。  パッと腕を掴まれて擦り寄ってくる姿に胸が高鳴る。  今のこの動悸は……?  吸い寄せられるようにその唇にキスをしていてハッとする。  何でキスした?  口を押さえて獅子谷を見下ろすと、獅子谷は身動ぎをしてキュッと眉が寄った。 「……獅子谷……怜、旺……」  謎にフルネームを口にしていてフルフルと頭を振る。  何をしている?  まだ濡れた髪を掻きむしると、水滴が飛んだらしく獅子谷が「ん」と声を漏らして目を開けた。  ぽやっとしたその黒い瞳と目が合った気がしたのに、獅子谷はまだ眠いのかゆっくりと目を閉じていく。  その髪を撫でていると、しばらくしてバッと獅子谷が起き上がった。 「っ……」  そして、腰を押さえて呻く。 「大丈夫かよ」  思わず聞くと、 「いや、お前こそ」  獅子谷はかなり掠れた声を出して喉を押さえた。  ベッドから降りた俺は小さな冷蔵庫から水のペットボトルを手にして蓋を開けてやってから渡す。  受け取った獅子谷はゆっくりとした動きでそれを口にした。

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