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「誓った日?」  目が合うと渋谷はにこっと笑って写真をそっと手にする。 「『あいつらとつるむの止める。もうバイクも乗らないしケンカもしない』……実の病室で怜旺が誓ったんだよ」  写真を見つめて微笑む渋谷。 「で?髪を切ったのか?」 「実が『じゃあ、その髪切って証明して!』って笑ったからね」 「は?」 「見えないのにそんなこと言うから怜旺もびっくりしてたけどな。俺が連れてって『一生の借りな?』ってお金も全部出したんだよ。何度も返すって言ってくるけどそれは絶対に受け取ってやらない」  ニッと歯を見せる渋谷は写真を再び机にしまった。 「まぁ、すぐには無理で……嫌がらせされたり殴りかかられたりはあったけどな」  立ち上がると、渋谷はグッと伸びをする。 「……なぁ、あいつがデリヘルで働いてるのは知ってたのか?」  その背中に声を掛けると、パッと渋谷はこっちを見て目を細めた。 「そんなことも知ってるのか?」 「ってことはお前も知ってんだな?」  睨むようになってしまったのは止めないこいつにイラついたから。 「怜旺は何度言っても止めないよ」  言いたいことを理解したらしい渋谷がため息を吐く。 「金のため……でも、今はもう違うだろ?」 「そうだな。あいつは苦しむことでいつまでも実と典子さんに償い続けてるからな」  視線を下げた渋谷がどこを見ているかはわからないが、その表情もヒドく辛そうだった。

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