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翌日もまた顔を出すと、
「本当に毎日来るのか?」
獅子谷は職員室のドアに手を掛けたままこっちを見上げる。
「もちろん!」
笑いかけると、獅子谷はため息を吐いてまた中に戻って行った。
中の冷気だけが漏れてくるその場で俺はただ獅子谷を待つ。
再び出て来た獅子谷はいつものファイルだけではなく、コンビニの袋も下げていて、
「俺はまだ飯食ってねぇんだよ」
なぜかちょっとムッとした。
「別に何も言ってねぇだろうが」
笑いながら一緒に歩く。
ただ教室へと向かうだけだがこうやって一緒に歩けるだけで嬉しかった。
「あっつ……」
まぁ、教室は地獄のような蒸し暑さで、臭いも籠もったようなその空気はヤバいが。
「窓開けろ」
即、クーラーをつけた獅子谷は窓をカラカラと開けてネクタイを引き抜いた。
外も風はないが淀んだ空気よりはマシで、ボタンも一つ開けて手で扇いでいる獅子谷も同じように外を眺めている。だが、
「暑い。死ぬな」
すぐにまたピシャリと窓を閉めていつも座る俺の前、祐生の席に腰を下ろした。
俺も座ると、獅子谷はコンビニの袋から俺に白い何かを差し出してくる。
「は?」
「結構溶けたかもな」
笑って机に放られたのはシンプルな細めの棒アイスだった。
「くれんの?」
「職員室にあった」
「いいのかよ」
笑ってしまうと、獅子谷もフッと笑って袋から出したおにぎりを口にする。
たった一つのおにぎり。
それを食べただけで終わってしまった獅子谷の食事。
「むしろ、これもあんたが食えよ」
袋を剥いで目の前に突き出すと、獅子谷はプイッとそっぽを向いた。
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