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 何度も抱き続けると、さすがに獅子谷もぐったりとベッドに沈み込む。  荒い息を吐くばかりで手足も動かさず文句もその口からあまり出て来なくなった。 「……クソっ……絶倫、が……」  しばらくしてからやっと舌打ちしたがその言葉にも勢いはない。 「まだイけるけど?」  柔らかいその前髪を掻き上げてチュッと額にキスをすると、獅子谷はまだ息を乱しながらこっちを睨んだ。 「水飲む?」  微笑むと、ダルそうにしつつもゆっくりと頷く。  だが、ペットボトルを持ってきても獅子谷は目を閉じてただ胸を上下させていた。 「獅子谷」  呼んでみても反応はない。 「……怜旺」  少し考えて名前を呼ぶと、目を開いた獅子谷が睨んできた。 「調子に乗るな」 「んー?そのダルそうなの色っぽくてクるじゃん?」  笑ってもまだ睨んでくる顔を見ながらペットボトルに口をつけてそのまま口移しをする。  意外とすんなり受け入れた獅子谷は喉を動かすと、また口を開けて「もう少し」と強請った。  もう一度口に含んで口付けつつ、その水を少しずつ移動させる。  今度はそのまま舌も挿し込むと、獅子谷は混ざった唾液も飲み込んでまたベッドに沈み込んだ。 「一緒に花火見られなかったな」  ペットボトルをベッドの下に置いて獅子谷の横に転がると、獅子谷はクルッと背中を向ける。 「んなのいいだろ。最後ちょっと大きいの上がるだけだ」  そのままぽつりと溢して身を縮めた。

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