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「怜旺?お金なんて受け取れないよ?もらう理由がない」
「でも……」
微笑む滝本に獅子谷が口を開きかけると、滝本はフルフルと首を横に振る。
「そんなのじゃなくて会いに来てよ!順くんとまた三人でサッカーしたいし!」
「は?走れないぞ?」
滝本が笑うとすぐに渋谷が反応して、思わず俺も笑ってしまった。
「あ、そっか!椎堂くんも入って!一緒にやろ?」
「え?いいんですか?」
「うん!若い子が居ると盛り上がるじゃん!」
俺の声に反応した滝本に誘われてノると、獅子谷に思いっきり眉を顰められる。しかも、
「お前できんのか?」
そんな獅子谷の言葉と、
「若い子って……俺たち一気に歳食った気分だな」
渋谷の言葉がカブった。更に、
「は?できるし!ナメんなよ!」
俺の返答と、
「えー!順くん!いつまでも若いつもりでいたら怪我するよ?」
笑う滝本の声がカブる。
それぞれ対角線で同時に繰り広げた会話で俺たち四人は一緒に笑った。
「だから、はいっ!これで温泉でも行ってゆっくりリラックスしてきたら?」
滝本は通帳を獅子谷の手に乗せてニコッと笑う。
「お金は母さんに下ろしてくれるように頼んであるから!順くん!ちゃんと怜旺が受け取るようについて行ってね!」
「はいはい」
ため息を吐く渋谷は「お前ら俺は忙しいんだからな?」言いながらも安心したみたいだった。
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