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「え?」  思わず驚いてしまうと、片眉を吊り上げてビシッと額にチョップを入れられる。 「んだよ。今日はもう教室(こっち)戻って来ねぇからお前も職員室に鍵返して適当に切り上げろよ」  俺の机に鍵を置いてそのまま教室から出て行こうとする獅子谷の腕を掴むと、獅子谷は面倒臭そうにこっちを見た。 「もうちょい……居て」 「バーカ!甘えんな」  じっと見つめてもベェッと舌を出されてしまう。  抱き締めてその舌を吸い上げると、思いっきり足を踏まれた。 「っ……」 「やっと簡単に身体許すのは辞めようとしてんのに、フザけんなよ?」  パキパキと指を鳴らされてその拒絶は本気だと理解する。 「俺は客じゃない!俺は……」  俺の気持ちは全く通じていないことを実感して再び想いを口にしようとすると、 「生徒だよ!」  カブせるように言い切られた。 「ヤダ!」 「は?」  再び腕を掴むと目を細められて、 「マジで好きだから!」 「……」  真剣なのに、ただ無言で見上げられる。  しかも、しばらく見られた後、前髪を掻き上げてため息を吐かれた。 「……女で勃つ奴は女のトコ行けよ」  ぼそっと漏らされる低い声。 「ってことはあんたは男がいいってことか?」 「は?」  聞くと、獅子谷は片眉を跳ね上げさせた。 「それなら俺を選べ!」  両腕を掴んで真っ直ぐ見つめると、 「何でそうなる?」  再びため息を吐かれる。 「俺があんた以外……獅子谷怜旺以外考えられねぇからだよ!」  形振りなんて構わずただ真っ直ぐに想いを告げた。

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