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「……それを信じろって?」  小さく息を吐いて逸らされる目。 「信じらんねぇの?」  握る腕に力を込めると、獅子谷は俺の胸に額をつけた。 「……お前が本当にケンカも止めて、ちゃんと勉強して、女とも遊んでねぇのはわかるよ」  その声は消え入りそうなほど小さい。 「なら!」  顔を上げさせようとしても獅子谷はギュッと俺の胸にくっついたまま顔を上げなかった。 「……わかんねぇんだよ」  しばらくして出てきた不安げな声。 「は?」 「言い寄られても女も男も突っぱねてきたし、客にただ身体を開いてきたから……好きとかそういうのは……よくわかんねぇ」  言いながら俺にしっかりくっついているのはわかっているのだろうか? 「……獅子谷」  フーっとゆっくり息を吐き出してからその後頭部と背中を撫でる。 「こうやってくっついてるのは嫌じゃねぇの?」  ハッとしたような獅子谷の腰をしっかり抱き寄せると、獅子谷は眉を寄せつつこっちを見上げた。 「これ、嫌?」  もう一度聞くと、小さく首が横に振られる。 「じゃあ、キスは?したくない?」  少し角度をつけつつ触れる直前で止めると、獅子谷はゆっくりそこに唇を重ねてきた。 「……ムカつく」  真っ赤なその顔がかわい過ぎてどうしてくれようか。

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