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135、第17話「恋人?」
告って、獅子谷だって何だかんだ言いながら受け入れたはずなのに……相変わらず俺は教室に一人で居た。
勉強をして、少しだけ顔を見せる獅子谷とほんの少し話しただけで帰る日々。
「なぁ……」
また立ち上がってさっさと帰ろうとしている獅子谷の肩を掴むと、獅子谷は俺のプリントを持ったまま振り返った。
「俺たち付き合ってるんだよな?」
「……そう、か?」
なぜか間を空けられる。
しかも、なぜそこで頷かないのか。
「告っただろうが!」
「そんなん今までも何回もあっただろ!」
思わず声を荒げると、獅子谷も食って掛かってきた。
冷静に、と一度小さく息を吐いて整える。
「今回は受け入れただろ!?」
確認すると、獅子谷は目を逸らした。だが、
「……まぁ……一応?」
消え入りそうな小さな声で答えて耳を真っ赤にする。
「……何、照れてんの?」
その腕を引いて抱き寄せると、獅子谷は更に身を硬直させた。
「は?かわい過ぎんだけど」
そんな姿にどう耐えろというのか!
「うるさいっ!!」
グッと胸を押されても離したくなんてなくて俺はその腰と背中を支えた。
「獅子谷」
優しく囁いても獅子谷は何の抵抗か俺の胸にくっついて顔を上げない。
「……怜旺」
その耳に近づいて直接呼ぶと、ピクンと跳ねて獅子谷が顔を上げた。
その隙に素早く唇を合わせる。
開けてくれない唇を食んで舌で突付くと、吐息を吐いて獅子谷の唇が開いた。
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