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翌日、俺は学校に残るのもやめてすぐ帰れるように荷物を詰める。
教科書全てなんか持ち帰る気にはならなくてそれはロッカーに詰め込んだ。
でも、いつも獅子谷にもらうプリントとそこに必要な教科の教科書くらいは持って帰るようになったのだが。
今までのように中身が空っぽではなくなっただけでカバンも少し重く感じる。
「あれ?圭斗、今日は帰んの?久々にちょっと遊ぶー?」
祐生に声を掛けられて振り返ると、その隣には憮然とした亮雅も居た。
隣の席に居るのに俺とは反対を向いて寝ていやがるし、まともに目が合ったのも久しぶりかもしれない。だが、
「来ねぇよ。こいつはもう腑抜けやがったから」
亮雅はこっちを睨んで俺の横をさっさとすり抜けようとする。
「っ、おい!」
その肩を掴んで止めると、亮雅は勢いよく俺の手を振り払った。
「触んなっ!」
その拳は擦り切れていて、頬には薄っすら青痣がある。
「お前、まだケンカとかしてんのか?」
「関係ねぇだろ!」
目を細めると、亮雅は吐き捨てるように言ってペラペラのカバンを肩に引っ掛けて歩いて行った。
「……圭斗ぉ、マジあれ何とかなんねぇの?」
祐生が隣に来て俺も一緒にただ小さくなっていく亮雅を見つめる。
引き籠もっていたあいつをこっちに引き摺り込んだのは俺だ。
「あいつからしたら……」
その先は言葉にできなかった。
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