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なのに、獅子谷は部屋に着くと鍵を開けて素早く風呂場へと逃げ込んだ。
しかも、ボディーソープなどは獅子谷が持っていたカバンの方に入っていてそれを口実に開けさせることもできない。
さすがに鍵を壊すことは気が引けて、俺は大人しく寝室に入った。
掛け布団を捲って防水シーツを忍ばせておく。
そして、サイドテーブルにはそのままローションとゴムの入った箱を置いておいた。
目にして意識してもらわないといけない。
このベッドで……じっと見ていると何だか照れ臭くなってきて寝室を出た。
落ち着かなくて買い物袋から出して片付けていてハッとする。
買ったバスタオル。
それを持って浴室の前に立つと一度深呼吸をした。
「獅子谷!タオ……」
俺が開けた瞬間、獅子谷も折れ戸を開けて全裸の獅子谷が一瞬見える。
慌てて閉める獅子谷とそこに手を差し込んだ俺。
「なっ!!お前っ!!」
「わり……もー待てねぇわ」
指先を引っ掛けて足で靴下を脱ぐと隙間に入れてグッと手にも力を込める。
「バッ!!」
焦る獅子谷を見つめたまま戸を開けると獅子谷はビクッとして戸から手を離して体を隠した。
今まで抱いた三回ともラブホだったためか、こんな明るい場所で獅子谷の素肌を見ると更に白く見える気がする。
「お前っ!服っ!!」
浴室に足を踏み込むと獅子谷はそのまま後退ったが、広さなんて知れていてすぐに壁へと追い詰めた。
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