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194、第23話「ヤバい」
起きた時はもう昼も過ぎていた。
外が明るくなってくる頃はまだ繋がっていたし仕方ないだろう。
目の前で眠る獅子谷。
その長いまつ毛を見つめて頬にキスをする。
獅子谷は「ん」と眉を寄せて寝返りを打つと、俺の腕に両手を絡ませてしがみついて擦り寄ってきた。
そのまままたスヤスヤと眠っていて、そのかわいさに身悶える。
眉も寄せていない穏やかな……むしろちょっとあどけなくも見えるその寝顔。
俺の右腕には昔もらったあの革のブレスレットがある。
あんなカッコ良くて憧れだったあの“小さき百獣の王”もこんな俺の腕の中で無防備で居てくれるなんて……十年前は考えもしなかった。
もう一度顔を寄せて今度は額にキスをすると、モゾモゾ動いた獅子谷は小さく口を動かして俺の鎖骨をなぞるように唇で挟む。
かわい過ぎるその姿をただ見つめていると、獅子谷はゆっくり目を開いてまだ焦点の定まらないままこっちを向いた。
ぽよんとしたその顔。
抱き締めて「かわいいっ!!」と叫びたいのを我慢する。
「……」
「はよ」
「……はよ」
ぼーっとしている獅子谷に微笑むととりあえず返ってきた返事。
「圭斗」
「……けいと」
オウム返しでもそんなの身悶えるしかなかった。
起き上がって上に乗る。
食いつく勢いでキスをしてそのまま枕を獅子谷の腰の下に挿し込んだ。
「へ?」
俺の先端を押し当てたところでやっと覚醒したらしい獅子谷。
「無理。勃った」
「はぁっ!?っ……くっ、んっ!!」
俺はもう離れられない気がした。
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