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 亮雅を隣のベッドにしてくれて四人部屋に二人だけの俺たちはこの数ヶ月分を取り戻すかのように話し続けた。  何度も渋谷に「大人しく寝ていろ」と怒られるほど。  だが、祐生が顔を出しても獅子谷はなかなかやって来ない。 「忙しいんじゃねぇの?」  そう言って呆れたようにしつつ笑っていた亮雅も、面会の時間が終わって祐生も帰らされるとそれさえ言わなくなった。 「……マジギレしてっかもなぁ」  呟くと、亮雅は起こしたベッドに凭れ掛かって天井を見上げる。 「むしろ……あんな泣きそうな獅子谷は初めて見たけどな?」 「は?」  泣きそうだなんて獅子谷からは連想できない言葉であまりピンと来ない。  最近俺の前で色んな表情を見せるがそんな亮雅の前で? 「ずっとお前の手握ってセンセが離そうとしても頭横に振るばっかでしゃべんなくて動かなくて……」  言われて俺は両手を見つめる。  ガーゼと包帯で覆われた手。  それを獅子谷は握っていてくれた?  怒ってさっさと捨てたんじゃなくて? 「入るぞ。ってまだ起きてるのか?消灯!寝ないと治るもんも治らないだろ?」  渋谷が入ってきて、ノックの音にパッと反応した俺は急に動いたことで痛みが走って呻く。 「何してるんだ」 「だって獅子谷かと」  呆れられて口を突き出した。 「怜旺は今日は来てないよ」  そんなの気にせず渋谷は俺の点滴を確認して医者らしく傷の様子を診る。 「落ち込むなって。むしろ、この病院に来たのも何年ぶりだったと思ってるんだよ」  

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