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「や、お前の気持ちには応えらんねぇぞ?」  受け取るのを躊躇うと、 「バーカ!告ってねぇっつの!あくまでもお前は俺の理想!そうやって相手が男で担任でも堂々と付き合っちゃうとかカッコよ過ぎんだろ?ってだけだ」  亮雅は俺の手に無理矢理乗せて笑う。   「や、俺は男がいいってわけではなくて……」 「獅子谷が!だろ?」 「でも、お前は男もイケんじゃねぇのか?」  初めて獅子谷をデリヘルで呼んだあの日から気になっていたことを聞くと、亮雅は答え辛そうに頬を掻いた。 「あー……それは……」 「何だよ?」  誤魔化そうとしている亮雅を睨んでやると、観念したように亮雅は肩を竦める。 「お前を貶めようとしてきた奴らとかソッチで相手したことあるだけ」  ボソッと零すような小さな声だが聞き捨てならない。 「は?お前……」 「や、そんな……ではない!俺はバイだから別に苦でもねぇし!」 「そういう問題じゃねぇだろ?」  思わず声が低くなると、亮雅は気持ち小さくなってまたラグに腰を降ろした。 「マジでお前は俺のヒーローなんだって。お前が居たから俺はこんなしっかり生きてんだよ」  ラグに手を付いて小さく笑う亮雅。 「でも、いつの間にかお前に理想を押し付けてたんだよな。獅子谷に会って変わってくお前を許せなかった」 「亮雅……」 「ははっ!情けねぇ面!ヤベぇな!!」  ニッと歯を見せると、亮雅は這ってこっちに近づいてくる。 「うだうだしてねぇで、お前らしく突っ走れ」  拳を見せられて、俺もそこに拳を合わせた。

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