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229、第26話「企み」

 ギプスは取れても終業式もまだ足には包帯を巻いていて、肋骨はサポーターを着けていた。 「圭斗も行くだろ?」 「は?何が?」  式は終わって教室に戻ってきたタイミングで聞かれて、イスに座りながら首を傾げる。 「飯!んで、ボーリングしてカラオケ〜!」  テンションの高い祐生にげんなりしながら亮雅を見ると、亮雅も呆れたような顔をしていた。 「お前行くの?」 「冗談。先生に呼ばれてっから病院行くし」 「あー……」  俺もだが、面倒臭さの方が勝ってしまっている。 「連れて来いっつわれてる」 「もうよくね?」 「お前はまだその指だってリハビリ中のくせに?」  言われてグッパして見せるが、亮雅に足を見られてため息を吐いた。   「つか、企みに乗れって聞いてるけど?」 「企み?」 「獅子谷にはナイショって」  その言い方で何となくわかるようになってきたのは俺も渋谷との付き合いが増えたからだろうか? 「では、席に着いて下さい。通知表をお渡しします」  獅子谷が教室に入ってきて、一気に静かになる教室。  ヒラヒラと獅子谷に手を振ってみても一切反応はされなくて亮雅に笑われた。だが、 「なぁ!俺とも遊べってぇ!!」  まだ話を終えていなかったらしい祐生が騒いで、 「森川、そんなに早く通知表が欲しいですか?」  獅子谷に冷ややかな目で見られる。 「いやっ!くれなくていいって!!」  慌てて前を向いた祐生の後ろに居る俺と目が合うと、獅子谷はフイッと目を逸らして咳払いをした。

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