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 獅子谷は自分がちょっとムッとしていることに気づいているのだろうか?  シャワーに行かせてもチラッとこっちを見て入りに行き、戻ってきて料理が並べてあるのを見てまた少し訴えるような目を向けてきた。  それが構って欲しい猫のようで冷静に作業するフリをしつつ内心身悶える。 「獅子谷」  なのに呼んでもツンとそっぽを向かれて、手を洗って拭いた俺はそんな獅子谷を後ろから抱き締めた。 「怜ー旺!腹減ってるだろ?早く食べてイチャイチャしようぜ?」 「なっ!!」  パクっと耳に食いついてやると、獅子谷が声を跳ねさせて風呂上がりで色付いていた肌を更に赤くさせる。 「……反応かわい過ぎて早く喰ってやりたいんだけど?」  その耳を撫でながら腕の中で体の向きを変えてやると、 「さっきは止めたくせに」  獅子谷は顔を隠してボソッと呟いた。 「さっさと喰って欲しかったんだ?」 「そ、そんなこと……」  鼻を触れ合わせて聞くと、獅子谷が慌て始める。   「俺が今日来るからってもう疼いてた?」 「だ、誰がっ!!」  唇も触れさせようとしてギリギリで止めると、獅子谷はハッとしたようにしつつ顔を背けた。 「もしかして……それで夜、寝られなかった?」 「違うっ!!」 「本当に?」 「……っ」  顎を指でなぞってやると唇を噛んだ獅子谷がこっちを見上げてくる。 「煽り過ぎ」  横抱きにして寝室へと足を踏み出すと、獅子谷は真っ赤な顔で俺の首に腕を絡めた。

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