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遅くなった昼を二人で食べに出て、何度も腰を擦り辛そうにする獅子谷にもう何度殴られて何度謝ったかわからない。
でも、怒るくせに獅子谷はずっと俺の横に居てこっちを見上げてきながらたまに恥ずかしそうに目を反らしたりする。
「なぁ、クリスマスだし何か一緒に買うか?」
「は?んなバカップルみたいなことしてたまるか」
プイッとそっぽを向いたのは本気か照れ隠しか。
「これ買ったとことかは?」
腕にある革のブレスレットを見せると、獅子谷はなぜか赤くなる。
「何?」
聞いても逃げようとする獅子谷をしっかり捕まえた。
「……それは俺が作ったヤツだから売ってねぇ」
「え?」
じっと見つめるとやっとぽつりと口にしてくれたが予想外過ぎて言葉に詰まる。
「まさかの……“小さき百獣の王”の手作り!?」
「バッ!!うっせっ!!金なかったんだよっ!!」
顔を真っ赤にして獅子谷がワタワタと逃げようとするのは絶対に離せない。
「ヤベぇなっ!!世界に一つだけじゃん!!めちゃくちゃ貴重でめちゃくちゃ愛こもってんじゃん!!」
「なっ!!愛って!?」
さすがにキスしたいのは堪らえていると、
「椎堂くーん?電話出てよ」
横にきた車の助手席の窓が開いて滝本が顔を出した。
「はぁ!?実っ!?」
驚きを隠せないような獅子谷を少し見てからスマホを確認して笑って誤魔化す。
「寒ぃし乗せてくれよ!」
そのまま後部座席のドアを開けて獅子谷を押すと、獅子谷は更に驚いた顔をこっちに向けてきた。
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