250 / 258

250

 耳朶を軽く唇で挟んでから舌を這わす。  そのまま舌を挿し込んでゆっくりその凹凸をなぞると、獅子谷はピクッと身体を震わせた。 「あ……っ」  指先で唇に触れて、その指も顎のラインをなぞってから首筋を通って胸元に落とす。  一度腹筋を確かめてから脇腹を通ってまた胸に戻すと、獅子谷はフルフルと頭を振った。 「やっ、も……ちゃんと……」  焦れている姿が楽しくてもっと意地悪したくなる。  チュッとキスをして舌は顎や首筋に移動もさせるが、手は直接獅子谷が望む場所には伸ばしてやらない。 「しど……」  髪を掴んで獅子谷が少し潤んだ目を向けてくる。  俺は微笑むと、指を獅子谷の口元にやった。  パクッとすぐに食い付いてきて必死に舐める獅子谷。  その姿は俺の下半身をキツくさせる。  指を引き抜いて、期待を滲ませる獅子谷の表情を見つめながら膝に手を掛けてゆっくり開いた。  勃ち上がって蜜を滲ませているのはまたテンションが上がる。 「っ……お前……マジで……」  ただ見られることに焦れた獅子谷が身を捩じるのを口角を上げながら見てやって脚を閉じるのは許さない。 「ヤベぇ……」  息を呑んでさっき獅子谷が濡らしてくれた指を胸の飾りに伸ばした。 「そっちじゃ……っ!!」  目を見開いてすぐに眉が寄る。  吐息にしかならない淡い刺激に耐え兼ねた獅子谷の目に涙が滲んだ。

ともだちにシェアしよう!