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「んっ……あ……」  ローションを垂らして先端を埋め込んだだけで、獅子谷がグッと顎を突き出す。  無防備に晒された首に齧り付くと、ビクンと跳ねて獅子谷が仰け反った。  そのずり上がっていく身体の腰に手を掛けて引き寄せる。 「ぐっ……う、アっ!」  留めた身体に楔を打ち込み、また少し引いて押し込んだ。  ズルンと抜く度に痙攣を繰り返す身体。  挿入すると内壁がうねって俺の屹立を深く飲み込み、纏わりついてギュッと締め付ける。  気を抜いたら呆気なく持っていかれそうなほどで、腰を打ち付けて抽挿を繰り返すのに集中することで何とか堪らえた。 「ん"、ンっ!!……ぁ……はっ」  トロンと目を見開いて甘い声を漏らす獅子谷が、握っていたシーツから手を離してこっちに伸ばしてくる。  一度動きを止めてその手を俺の肩に乗せてやると、獅子谷はスルリと手を滑らせた。  背中に回した手でグイッと引き寄せられてお互いの胸がくっつく。 「何?くっつきたいのか?」  聞くと、獅子谷は息を乱しながらゆっくり目を開いた。  焦点の合わない目は涙で潤んでいる。  半分ほどトんでいるのか、ぼんやりしている獅子谷がコクリと頷いてまたギュッとしがみついてきた。 「くっそ……かわいいな」  俺も獅子谷を目一杯抱き締めて再び腰を振る。 「ん"っ!!ア!……ぁっ……」  ピタリと胸もくっつけているせいでさっきほど激しくは突けない。  それでも獅子谷の内壁はキツく締めてきて俺は甘い幸せに浸った。

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