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第22話-2
◇◆◇ブルーノSide
「ブルーノ!今すぐに腕の立つ者を探せ!」
また伯爵がなにやら思いついたようだ。本当に人使いが荒い。
「その前に理由をお聞かせください」
「ふむ。武勲をあげれるぐらい強いものを探すのだ!」
私の質問に答える気はないということか。何をする気だ?
「すぐに武芸に優れているものを集めるのは無理があります」
「何を言うのだ。あの青二さ……。サミュエル様のところにたくさん居るではないか。ということはこの地には腕の立つ者が多くいるのだろう?やつのところより強いものを連れてくればいいのだ!」
「そんなに簡単に見つかるものではありません。それにサミュエル辺境伯様のところは自警団です。ご自身の領地だけでなく近隣の領地にも出向いてくださるのです。皆この地を守るという志の強いものの集まりなのです」
「そうだ、危機の時にこの領地と吾輩を守ることが出来る強い者が必要なのだ」
「危機の時ですか?例えばどのような危機でしょうか?」
「戦争に決まっとるではないか。戦になっても吾輩の身を守れる強い者を味方に引き入れとかないとな」
……頭が痛くなってきた。どういう思考回路をしてるのだろうか?何故突然戦争などと言い出したのか?まさかと思うが何かを隣国に仕掛けようとしているのではあるまいな。
「戦ですか?それはたいへんでございますね。でもなぜ戦争が起こると?」
「そりゃあ、ここは隣国との境界地。境界を無断で越して攻め入ったり、また王都への最短ルートや警備の薄い個所を教えれば敵は攻め入ってくれるかもしれぬではないか」
「そうですか。確かにそれなら|傭兵《ようへい》が必要ですね。しかしまずは本当に強いのかどうか確かめて行かないといけません。言われるままに雇ってからでは遅いですからね。どのくらいの期間までに集める必要があるのですか?」
「ううむ。そうなのか。期間は早ければ早い方が良いのだ」
「……そうなのですか。では集めるにしても軍資金はどうなさるのですか?かなり必要となりますが」
「資金なら心配するな。お前には言ってなかったが吾輩は別のルートで資金を稼いでいたのだ」
そうか。《《アレ》》を使うと言う事か。
「かしこまりました。ですが、動くのはくれぐれも私めが人員を確保してからにしてくださいませ」
「何故だ?」
「敵がこちらのいう事を聞くとは限りません。伯爵さまを守れる人手が足りないうちに勝手に動かれますと、貴方様のお命を守れなくなるやもしれません」
「吾輩をまもれなくなる?それは困る。困るぞ。よし、お前に任せるからすぐに手配しろ!」
「かしこまりました」
まったく大人しくしておけばいいものを。どうしてこうも浅知恵を働かせるのだろうか?やはりこいつを放っておいてはろくなことにならない。この地の安泰がアルベルト様の安泰。不穏な動きをするものは排除しなければならない。さて。どう動くのが最適だろうか。
まずはデセルトへ報告せねば……。
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