66 / 70
第29話-2
もどかしい。もっと直にサミュエルに触れたい。
「サム。抱きつきたい」
「……わかった」
腕の縛りをほどいてくれる。肩が少し痛くなっていた。
「ちょっと肩が痛くなってる」
「……わかった」
「え?」
サミュエルは僕を抱き起こすと向かい合った座位の姿勢にする。僕が目隠しを外そうとすると制止された。
「……まだだ。お仕置は済んでないからな」
「サム?」
「……アルは俺が欲しいか?」
そう言って僕の手をとって自分の雄を掴ませた。
「熱い。熱くて脈打ってる」
「……ああ。俺はアルの中に挿入したくて仕方がない」
悔しいけど僕のものよりも大きくて硬い。手を添わすとサミュエルが息を詰めたのを感じる。気をよくした僕は上下に擦りあげた。
「うっ……こら。イタズラはよせ。自分で俺のを導いてくれ」
「自分で?ど、どうするの?」
何も見えない状態で感覚だけでサミュエルの雄を導くってこと?僕に出来るのか?
「……アルが腰を降ろしてくれ」
「僕が?やってみる」
そうだった。これはお仕置なんだ。僕は一旦膝立ちになり、サミュエルの雄を握り後蕾にあてがうと慎重に腰を降ろした。
「は……ぅ……」
香油でつるりと滑って位置がずれてしまい上手くあてられない。
「ぁ……ぅう……」
サミュエルはまた気配を消してしまった。でも今度は僕が雄を握っているから目の前にいるのは間違いない。恐らく僕の一挙一動をじっくり眺めているのだろう。
「ぁん!……ぅ」
ようやく先っぽがほんの少しだけ僕の中に挿ってきた。だけどカリの部分が大きくてなかなか進まない。段々と脂汗が出てきた。鼓動もばくばくしてきて進むことも引く事も出来なくなってきた。
「…………アル」
焦れたようなサミュエルの声がする。
「ん……サムぅ……」
つい情けない声がでてしまった。
「…………わかった」
サミュエルの大きな手が僕の臀部を掴むとズン!と下から突き上げてきた。
「ひっ!ぁああ!」
何度も強い突き上げを受け僕はサミュエルの首にしがみついた。
「ぁん!ぁっ!んっ!ぁん!ん!サム!サム!」
そのまま押し倒され速度が速まっていく。
「もぉっ!あん!はげしっ!っ!……んんっ!」
「…………アル」
腰を大きくグラインドされのけ反ると目隠しの布がずれてきた。
「サム……顔が……みたい」
「……わかった」
サミュエルの手が僕の目元を撫でる。布を取り除くと青い瞳が僕を見つめていた。ギラギラとした欲情たっぷりの表情で。ぞくぞくとした快感が走る。視覚からも犯される感覚で満たされる。
「サム好きだ。青くて空みたいに綺麗な瞳……」
「この身体の奥の奥まで俺で満たしたい」
体を少し横に倒されるとグイって突き入れられた。
「ひぅ!」
これは入ってはいけない場所だ。そうわかっているのに。抗えない。サミュエルの必死さが伝わるから。
奥を突かれる度に苦しいのにそれだけじゃない。なんとも言えない快感に襲われる。荒々しい動きに合わせるように僕の腰も動いてしまう。激しい刺激に息も絶え絶えになる。
「アル……アルベルト」
僕の名を呼ぶ表情が艶っぽくて、飛び散る汗まで見惚れてしまう。サミュエル、君は僕にとって唯一なんだ。
「サム!ぁん!っ!ぁああっ!」
早まっていくスピードと快感でもう喘ぐしか出来なくなってしまう。
「ぁん!僕も!っんん!サム!サム!ぁっ!ぁっ!もぉ……ぁああ!」
「ぐっ!……ぅ……っ!」
とてつもない快感と心地よい脱力感に襲われる。
「アル。愛している」
「うん。僕も愛している」
サミュエルが抱きしめてくれる。僕はその逞しい胸に擦り寄った。
ともだちにシェアしよう!