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番外編 寂しがり屋のひとりえっち♡(5)★

「ふあああぁ……っ」  二週間ぶりに味わう、愛する人の熱。待ち望んでいた質量に悦びの声が大きく上がった。  ずっと一人で慰めるだけだったせいか、いつも以上に敏感になっている気がする。ゆっくりと挿入されるだけでも気持ちよすぎて、すぐにも絶頂してしまいそうだ。 「侑人のナカ、すげえヒクついてんな。……気持ちいい」  耳元で囁かれて背筋が震える。そのまま耳朶を甘噛みされたかと思うと、今度は首筋から鎖骨にかけて吸い付かれた。  その間も腰の動きは止まらず、ずぶずぶと体内を埋められていく。最奥まで到達したところで一旦動きを止め、高山はやんわりと口付けてくる。 「ん、ぁ……」  舌を絡め取りながら腰をゆるゆると動かされると、それだけでもう駄目だった。体が溶けそうなほどに心地よくて、うっとりするほどの幸福感に満たされていく。 (高山さん……高山さんっ――)  高山のものをぎゅうぎゅうと締め付けては、さらなる繋がりを求めて腰が揺れてしまう。すると、高山はわずかに息を詰めた。 「そう急かすなよ。久々なんだ、じっくり味わわせろ」 「あ、あっ……ん」  ゆったりとしたストロークで擦り上げられるたび、侑人の口から甘い喘ぎ声がこぼれる。  高山の腰使いは徐々に激しさを増していった。それこそ言葉どおり、じっくり味わうかのように。 「あっ、高山さん……いい、きもち、い……っ」  侑人も懸命に腰を振っては、与えられる快楽を貪り尽くす。  時折、引き寄せられるように唇が重なるのも、熱っぽく視線が交わるのも――どれもこれもが愛おしくて胸がいっぱいになるのを感じた。  そのさなか、侑人の頬を撫でつけながら高山が口を開く。 「なあ、侑人。名前で俺のこと呼べよ」  吐息混じりの声。揺さぶられながらも、侑人は迷わず応えた。 「んっ……健二、さん」 「もっと」 「健二さん、けんじさっ――あぁんっ!」  名前を呼ぶたびに抽挿が激しくなり、仕舞いには声を上擦らせて喘いでしまう。一方、高山は目を細めて言った。 「……いい子にはご褒美だ」  こちらの膝裏を掴んで、自分の肩へと担ぎ上げる。雄々しい振る舞いに見惚れるのも束の間だった。 「んあ、ああぁっ!」  上から体重をかけるようにして高山が穿ってくる。そのあまりの衝撃に、侑人は大きく目を見開いて口をパクパクとさせた。  最奥のさらに奥。勢いづけて奥壁をぐぽぐぽとこじ開けられれば、もうひとたまりもない。 「う、あっ、らめ、ふかいぃ……っ!」  アナルビーズの質量とは比べものにならず、髪を振り乱しながらよがり狂う。結腸の入口まで貫かれるたびに視界がチカチカとし、もう何度絶頂しているのかもわからないほどだった。  それでも高山は止まらない。艶っぽく口元を歪ませて顔を覗きこんでくる。 「二週間もお預け食らったんだ。――まだ飛ぶなよ、侑人」  低い囁きが鼓膜をも犯していく。  侑人も朦朧とした意識のまま、高山の名前をうわごとのように繰り返した。そうして二人は互いの体温に溺れ、長い夜を過ごすのだった。  行為を終えた頃にはすっかり夜が更けていた。  シャワーを浴びて二人一緒にベッドに入る。どこか熱を持て余している侑人に対し、すでに高山は寝息を立てていた。 (本当は疲れてたくせに……よくもまあ)  出張明けで疲れていたであろうことは容易に察しがつく。目の下に隈ができているし、顔色だって心なしかよくない気がする。  それでも、こうして自分との時間をとってくれただなんて――無理をさせてしまったのではないかと心配に思う反面、高山の気持ちが嬉しくてたまらない。  二週間ぶんの寂しさを埋めるようなセックスはどこまでも情熱的で、火照った体の熱が冷めやらないくらいだ。  侑人は苦笑を浮かべると、そっと高山の頭に手を伸ばす。こそばゆい気持ちを覚えながらも、人知れず小さな声で告げた。 「おかえりなさい、健二さん」  高山が隣にいてくれる日常、という幸せを噛みしめるかのように。それから、静かに瞼を閉じたのだった。

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