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第3話
いつもと変わらない朝。
いつもは6時に起きるのに今日は5時半に目が覚めた。
身体がいつもと違って怠くて寒気がした。
30分後にアラームがなる予定なのに、今日は何故か30分も早く目覚めてしまった。
ジャージのまま寝ていたから昨日はあのあと、すぐに寝てしまったのだとわかった。
体もだるい、寒気がする、頭痛が一斉に俺を襲った。一瞬で風邪をひいたと分かった。大地と旭にメッセージを送った。
「やばい。やっぱ風邪引いた。今日は休むわ。先生にもよろしく言っといて」
大地は
“分かった。やっぱり風邪ひいたか。まぁ昨日の今日だし、ゆっくり休んで明日から元気に来いよ。” ときた。
旭は【ええ?!スガ、風邪ひいたの?!そっかー、分かった〜。コーチや先生にも言っておくね。お大事にね〜(*ˊᵕˋ*)】
「なんか旭が絵文字使うとな〜w」
【何それ!?酷くない?!】
「いつもの事だべ。大地よりも酷くはねーべ
部活頑張れよ〜。バレーやりてー!」
【確かに、大地ほどじゃないな。じゃあ、早く治さないとね。行ってくる〜】
「行ってらっしゃ〜い」
その後、また寝た。
目が覚めるともう昼過ぎだった。
「おはよう。母さん、体温計ってどこにある?」
「そこの引き出しの二段目にあると思うけど…また風邪ひいたの?最近、嫌なことあるの?」
「う〜ん。まぁ、ね。」
俺は、ストレスや嫌なことがあって泣きすぎると高確率で風邪をひく。症状は主に頭痛、熱咳、など。今回は影山のことで泣きすぎて風邪をひいてしまった。
「自分の体は自分が守らないとね。好きなバレーも体が悪くなったら出来なくなっちゃうし」
「はーい。」
「なんか食べる?お粥作ろっか?」
「うん。ありがと、作って」
「作るから、体温測って、自分の部屋で寝てな。作ったら持ってくから」
「分かった。測ったら寝る」
測ると38.7分あって親に8度7分あったとだけ伝えた。
自分の部屋に移動して、ベッドの上に寝転がったらすぐに眠たくなっていつの間にか寝ていた。
目を開けると、そこは真っ暗闇だった。
よく凝らして見ると影山が居た。
影山は俺に気づいて「菅原さんって俺のこと好きだったんですね。俺、菅原さんのことはただのいい先輩としか思ってません。だから、ごめんなさい。正直に言うと気持ち悪いです…。ちょっと距離を置きませんか?」と言い放った。
影山待って。言おうとした瞬間に闇に消えていった。
その場で俺はもう、諦めなきゃ。
気持ち悪がれる前に。
影山が消えた先に追いかけたら影山が後ろにいた。
声をかけようとしたら突き飛ばされて首を絞められた。
顔を確認したらこいつは影山じゃない何かだと感じた。
怖い。首を絞められて、もう死ぬのかな?そう思った。
でも、どこからか声が聞こえた。
誰かが助けてくれた。
そう感じた瞬間、意識を手放した。
「ーー!ーガ!スガ!起きろ!」
目を開けるとそこには大地と旭が居た。
「なんで、ここに居るの?部活は?!」
そう聞くと、大地が答えた。
「今日は体育館が耐震工事で使えなかったんだ。だから、部活は休み。そういえば、皆心配してたぞ。」
「そっか。」
「さっき、魘されてたけど大丈夫だったか?なんか変な夢でも見た?」
「…うん。影山じゃない何かが俺の首を絞めてて、声がしたかと思ったら目が覚めて…。
すごくっ…怖かった…」
「大丈夫だよスガ、何かあったら必ず助けるから。いつも助けられてばっかだから俺らもなにかしなくちゃな、な旭。」
「あぁ。そうだな。スガはいつも悩みとか言わずに溜め込んじゃってるから、悩みとかあれば俺らに相談してな」
「うん。分かった。明日は行けたら行く」
「了解。早く元気になって部活にも来いよ!」
「じゃあな、スガ。早く治せよ〜」
「うん!じゃあな、大地!旭!」
「「お邪魔しました。」」
机には、冷えきったお粥が置いてあった。
服を見ると汗で体がベタベタで今すぐに着替えたかった。
なんだったんだろう。あの夢。
きっと影山もあんなこと思ってるんだろうな。
“気持ち悪い”か…。ま、同性だしな…。
汗を拭いて、着替えて下に降りると新しいお粥を作っている母の姿、さっき帰ってきたと思われる父の姿が見えた。
「父さん、おかえりなさい」
「ああ、孝支。ただいま。体は大丈夫か?」
「熱は下がったからまぁ大丈夫」
「孝支〜、お粥でいい?」
「うん。」
全員が椅子に座って席についたところで
「いただきます」と声を合わせて言った。
やっぱり、母さんの作るミルクがゆがいちばん美味しいと思った。
熱を測ると36.5分で、明日には学校に行けると楽しみになった。
でも、不安もあった。影山の好きな人がいつまでも引きずっていた。
風邪をひかないように、今日は早く寝ることにした。
でも、いつもと同じ時間には勉強をして、明日の準備もしてそして眠りについた。
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