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第4話

朝起きると、熱は下がっていた。 単純に学校が行けると嬉しかったけど不安もあった。 影山とどんな顔をして会えばいいのかが分からなかった。 普段通りに接しよう。 そう思った。 体育館は今日もメンテナスで部活はなし と 学校からメールが届いた。 朝練がなくて、少しほっとした。 家を出て坂ノ下商店の近くを通ったとき、大地と旭にばったり会った。 「大地、旭おはよ〜」 「お、スガ!はよ。体調は良くなったんだな」 「うん。もー大丈夫」 「ならいい」 「なぁ、俺のことについてなんか言ってた?影山。」 「言ってたっけな〜」 「スガの事じゃないけど、好きな子についてはなんか言ってたよな」 「…なんて言ってた?」 「たしか、“俺の好きな人、とっても可愛くて見てるとなんか癒されてとにかく可愛いんです!一言で言えば天使。ですかね?”ってさ」 「…そっか。」 「ま、誰かわかんねーからな。もしかしたらスガの可能性だってゼロじゃねーよな」 「そんなことあるわけねーべ(そうだったらいいんだけどな…。)」 そんなことを話しているうちに学校についていた。 靴を履き替えて、階段を上がり教室に入ろうとした時。 「菅原さん、おはようございます!!」 「お?影山、おはよ〜」 「なんで影山がここに居るんだ?なんか用か?」 「菅原さんが今日は来てたから」 「…っ…!なんで知ってんだ?」 「俺の教室から見れるんですよ。それで昨日は菅原さんの姿見なかったんで…」 「そっか…あ!時間的にそろそろやばいぞ!」 「え、あ!そっスね、じゃあ戻ります」 そう言って少しだけ微笑んだ。 影山が帰ったあと、顔が熱くなるのを感じた。 (あー…なんであんなにも可愛い顔するんだろうな…あの顔、“好きな人”にもしてるんだろうな好きな人が俺だったら…なんて考えちゃいけないんだ。諦めさせてくれよ… byすが) 少しだけ頬を緩くすると、影山があ、そうだと言い、振り向いた。それに気づいた俺はすぐににやけるのをやめた。 「あ、スガさん!今日って部活ありますか?」 「ふぇっ?あ、ああ。だ、大地。今日って部活あんの?」 (ふぇ?ってなんだよ、ふぇって! ) 「昼にはメンテナンス終わるから放課後はあるぞ」 「だってよ、影山」 「…ウス。じゃあ放課後に」 「おう、じゃあ後でな〜」 影山が帰ったあと、教室で自分の机に突っ伏していた。 「…スガ〜、大丈夫か〜?」 「…が…すぎる」 「え?スガ。なんて?」 「影山が可愛すぎる!」 「お、おう」 「あの可愛さ反則じゃない?!いつもはツンツンしてんのに、慣れてきたらどんどんデレれくの!猫か!猫かよ影山くんはよォ!」 「分かったから一回落ち着けスガ」 「落ち着いていられるわけないだろ!あんなにも好きなやつに犬みたいに懐かれて嬉しくないわけないしせっかく諦めようとしてんのに見るたびに好きになっていってさ…兎も角!影山が可愛いのがいけない!」 (犬か猫かどっちなんだよ…) 「その思い、もう言ったら?」 「は、はぁ!?言えるわけねーよ…。言っても玉砕覚悟だろ、そんな勇気俺には……無い」 (言った方がいいのかな。影山ってスガ以外と話してる時とスガと話してる時の目とか態度結構変わるから好きだと思うんだけどな) 「影山ってさ案外わかりやすいよ?」 「え、どこが???」 「………」 「ま、スガ、頑張れよ」 「え?なにを?」 「欲しいもん絶対とるって覚悟決めなきゃいつかは影山にも相手ができる。その姿見たくないならもう今しかない、欲しいなら頑張れ。俺達も応援するから」 「だいちぃ!愛してるぞぉ〜」 「それは影山にいえ!」

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