7 / 12
第7話
菅原さんは、救急車で運ばれた後すぐ近くの病院へ搬送され、集中治療室へ運ばれた。
意識は無く、文字の通りただ息をしているだけそれだけだった。
いや、息をしているのかもわからないくらい重症だった。
俺は、呆然と立ち尽くしていた。
もし俺を庇って死んでしまったら…。
後悔しかなかった。前を見て、歩いていたら。
俺が今日一緒に帰ろうと誘わなかったら。
こんなことにはならなかったのになそう思った。
集中治療室の扉の横の椅子に座っていると、菅原さんの両親らしき人物が来た。その後に大地さんや日向、田中さん等のバレー部員が来た。
俺は、悔しさで涙が溢れてきた。その為、顔を見ることが出来なかった。
しかし、菅原さんのお母さんは優しく、自分が泣いているにも関わらず俺の背中を摩ってくれた。
あぁ、菅原さんの優しいところってお母さんから来てるんだなと思った。
まだ、菅原さんの近くにいたかったが、俺が菅原さんの隣にいたことから警察に呼ばれていた。
俺は、菅原さんが起きたら電話してくださいとだけ伝え、警察と一緒に警察署へ行った。
菅原さんを轢いた犯人は、飲酒運転をしていて泥酔状態だった。
そして、轢いたのにも関わらず、その場から逃げたらしい。
所謂:(いわゆる)轢き逃げというやつだ。
俺は、その犯人が許せなかった。
もし、菅原さんがこのまま
居なくなってしまったら…。
それが怖くて仕方なかった。
また俺から離れていく
もう俺から離れていかないで
次、裏切られたら俺は立ち直れる気がしない
強がってたけどずっと怖かった
失いたくない、菅原さんを
だから、言おう
もし、菅原さんが目を覚ましたら
覚まさなくても言おう
ずっと前から『好き』だということを
振られてもいいや、自然とそう思えた
気持ち悪がられてもいい
ただこの気持ちを菅原さんに伝えたい
この時初めて影山は
失いたくないものができた。
ともだちにシェアしよう!