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第2話-8

「ちがっ……あああっ」 「ボディソープの匂い、するよ」 「だめっ……!」  また潜り込んできた舌の感触に身体が戦慄いた。足が勝手に開いてしまい、もっと深い部分に舌が潜り込みやすくなっていく。指と舌両方に犯され、隆則は寝室に入ってから一番甘い声を上げながら悦がり続けた。  気持ちいい。  内壁を舐められる感触にどんどんと腹に熱が溜まっていくが、どろどろに溶かすと宣言した遥人は絶対的な刺激をはぐらかし続ける。いつもなら隆則の感じる場所をすぐに刺激してくれるのに、わざとそこには触れないようにするし、舌では届かない奥は何もしてくれない。蕾の傍ばかりが舐め広げられていく。 「やだやだ……それっ……んんっんんっ!」  どんなに拒絶の言葉を並べても甘い吐息でコーティングされては喘いでいるとしか受け取ってもらえず、本当に溶けそうなほど舐め解される。一週間、自分の指でも慰めなかった場所がもう何度も遥人を受け入れた後のように勝手に収縮をし綻んでいく。入り口ばかりを刺激され続け、最奥が物欲しさに切なくなってもっと熱く太いものを欲しては指をきつく締め付けた。  クスリと足の間から笑うような音が聞こえる。 「だめだよ、ちゃんと言わないと」  チュッと蕾にキスをして遥人は隆則の細い腰を抱え上げた。 「いやっ!」  その状態でまた舌が蕾の中へと潜り込んでくるのが視界に入り、一気に頭がパンクするほど熱くなる。さっきまで口腔を犯していたはずの舌が、今は一番敏感な場所を舐めている。しかも潜り込ませたままだ……そのあまりもの卑猥さに目が離せなくなった。さっきと同じことをされているのに、もっといやらしいことをされているような気持ちになり、勝手に分身がたらたらと透明な蜜をどんどんと零し隆則のへこんだ腹を汚していく。 「やだ……ああっ」  欲しい、欲しい、欲しい、欲しい。  早く遥人の熱いものを挿れて欲しくて頭がそれでいっぱいになる。でも口に出せないもどかしさに腰を捩らせながらどんどんと涙がまつげを濡らしていった。 「……はぁ、ずるいよ。そんな可愛い顔されたらもう我慢できない」  遥人はゆっくりと隆則の腰を下ろすと覆いかぶさり、唇を犯しながらゆっくりと己の欲望をドロドロに溶かした蕾に挿れていった。 「んっ!」  待ち望んだ熱を受け止めながら、嬉しそうに蕾がそれを食み、たっぷりと溶かされた内壁はまとわりついていく。何度も抜き差しを繰り返し根元まで咥え込んだ。ようやく得られた熱に身体が今までにないほど興奮し、すぐにでも動いて欲しくて腰をもじつかせてしまう。寝室に入ってから一時間以上も経過してようやく得られた悦びに、隆則も積極的に自分から舌を絡めていく。

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