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第2話-10

 また大きく突かれて甘い声が零れ落ちる。  もう一週間まともに寝ていないというのに、身体は嬉しそうに遥人を受け入れては甘い痺れを背筋に走らせていく。 「隆則さんも一回じゃ満足しないでしょ。今日はまだ雌イキしてないもんね」  ピンッと胸の飾りを弾かれ頭が仰け反り、色の白い喉が露になる。 「あっ、雌イキって言っただけで隆則さんの勃ってきた」 「ちがっ……うっ……そこだめーーっ」  去年くらいからどこかから拾ってきた情報を実践され、隆則はもう何度も遂情することがないまま極めることを体験させられた。賢者タイムが訪れることなく何度でもすぐに極まる感覚はどこまでも深く、しかも終わりがなくずっと繰り返されるのだ。  あれを初めて味わった時、このままおかしくなる恐怖と脳が真っ白になるくらいの快楽に、生まれて初めて前後不覚になった。自分がどれだけ達って何を口走ったかも、いつセックスが終わりどうやって眠ったのかもわからなかった。気が付いたら翌朝で、眠った感覚すらなかった。 「あれは、やだ……こわい……朝までするから……あれはやめてくれ」  自分よりもずっと逞しい恋人にしがみつくように抱き着いたが、ベッドの中で隆則に選択肢はない。どんなに懇願したって、遥人が聞き入れなければ隆則にはどうしようもない。 「あれだったら早く終わらせられるからね、付き合って隆則さん」  また胸の飾りを爪弾かれ快楽の電流が駆け上がる。 「ああっ」 「可愛い隆則さんをいっぱい見せて」  有無を言わさず始まった第二ラウンド。最奥と胸だけの刺激で感じさせられ、パンパンに張った分身の根元を堰き止められながら何度も何度も感じる場所を執拗に突かれ、嫌だと涙を零しながら啼き続けた隆則は、結局遥人の望む方法で何度も極めることになった。  根元を縛った赤いリボンを己の先走りで濡らしながら、きつくきつく遥人の欲望を締め付けながら啼いた。ずっと極まった状態で遥人が望むどんな体位でも受け入れそれに悦び、訳が分からない状態になっていった。 「またいくっ! いく!」 「何回でも達っていいよ……ねぇ本当はどうして欲しいの?」 「いっぱっそれ……いっぱいしてっ」 「こう? それともこっち?」 「りょ、ほ……いいから! はると」 「ホント、達きまくった後の隆則さん可愛すぎるだろ……雌イキしてるときばっか素直すぎる」  四つん這いになった隆則を後ろから激しく突く遥人がどんな気持ちでいるかなど知りもせず、ただただ襲い来る快楽に翻弄されていき、最期には自分から遥人の上で淫らすぎる踊りを繰り広げながら、自分を何度も絶頂に押し上げていったのだが、もう理性を失った隆則はそれを覚えているはずもなく、自分がなにを口走り遥人を悦ばせたのかも知らないまま、深すぎる眠りにつくのだった。

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