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第5話-4

「んっ……あっ」  慣れた仕草で扱きながら、次第に激しくする。  彼の大きな手が後ろから分身を握り込みながら、あの優しい笑みを浮かべ隆則の反応を見ている。小さく声を漏らす自分に嬉しそうに手を速めていきながら「随分と早いですね」と少し意地悪な言葉をあの低い声で囁きかけてくる。 「いや……うっ」  浮き出た先走りがシャワーに流されていくのを感じながら手の動きが徐々に早くなっていき、それだけでは飽き足らずバスタブの縁に足を乗せ近頃使われることのなかった蕾へと反対の手を伸ばす。シャワーのお湯を借りながら、何度も指を潜り込ませては抜くことを繰り返しながら徐々に深くしていく。滅多に自分で触れることのない場所を刺激しながら、それが彼にされていることと妄想して指の動きを大胆にしていく。 『ここ、感じるんですか?』  耳の傍で囁きかけてくる声と共に、指がぐるりと内壁をなぞる。 「やっ……だめだそこっ!」  弱い一点を掠められ、腰が跳ねる。いつもより硬くなった分身がもう我慢できないとばかりに何度も手の中で跳ねては腹の奥に溜まった熱を吐き出したいと訴えている。 『すげー敏感』  指だけの愛撫で反応してしまう自分を恥じながらも、腰はもっとそれをして欲しいと揺らめいてしまう。 「あ……いいっ!」  指の先が気持ちいい場所を何度も掠めれば堪えることなどできない。 「も……うっあああ!」  彼の手で、彼に見られながら、早くなっていく手に導かれ隆則は高い声を上げながら白い蜜を風呂場の壁に飛ばした。  自慰なのに、彼のことを想像しながら今までで一番熱くなってしまった自分を、達した後の冷静さで思い返し恥ずかしくなる。 (ごめん、君を汚した……)  でも自慰でこんなに満たされたのは初めてだ。いや、何度か自分で後ろを弄りながらしたことはあったがこんなにも気持ちよくなったことなどない。あれはプロの手だから気持ちよくなるんだと思っていたが……想像が拙い性技を補ってくれたのかもしれない。しかもあの理想ドンピシャの存在を思い浮かべながらが最高に悦かったのかもしれない。  申し訳ない気持ちを宿しながら、それでもあまりもの快感に隆則は無意識に唇を舐めた。 (またこっそりおかずにさせてもらおう……)  なにせまだ会社を辞めるまで時間があり、有休消化にはいるまで一ヶ月もあるのだ。その間プロを頼む時間が作れない。疲れるとどうしても性欲が強まってしまう自分を知っているので、手っ取り早く、しかもわざわざおかずをネットで探し出す手間を弄する必要もない脳内妄想のお世話になろう。  お詫びとして時間があるときは店に通おうと誓い、隆則は会社を辞めても彼のいる深夜の時間帯を狙い、店に通い続けた。

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