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第9話-13
『ちょうどいつものが手が空いておりますので、すぐに向かわせます。どちらに伺えば』
「あ……」
そこで隆則は言葉を詰まらせた。場所を指定できないし、最寄り駅の傍にはビジネスホテルなどない。窮する隆則を察したのか、電話の相手が話し始めた。
『こちらの契約している場所でよければ空きがございます』
「おっ、お願いします!」
『では申し上げます』
教えて貰った場所は最寄駅からそれほど遠くはなかった。隆則は電車を乗り継いで指定されたホテルへと向かう。少し古びた建物で大通りから奥まった場所にあるそこの指定された部屋へと向かう。
「五十嵐さん久しぶり。最近呼んでくれなかったから恋人ができたのかと……」
インターフォンを押し扉を開いてくれたのは、馴染みのデリヘルボーイだ。明るい髪色を短く刈った流行りの髪型で少し筋肉質な体躯の彼が開けてくれたスペースから慌てて部屋へと入る。
「乱暴にして! 道具みたいにめちゃくちゃにしてくれ!」
いつもなら他愛ない会話をしてシャワーを浴びながら受け入れる準備をしてもらってそれから繋がる隆則の今までないほどの焦りようを感じ取ったのか、馴染みのデリヘルボーイは柔らかい表情をスッと消し「わかりました」とだけ言うと、肉付きの悪い隆則の手首を掴み奥の部屋へと引きずっていった。隆則も足をもつれさせながら着いていけばそのままベッドに放り投げられた。
「うっ」
強かに打った背中の痛みを訴えるよりも先に、隆則の身体を俯せにし下着ごとスウェットパンツが下ろされた。
「乱暴にしますが怪我はさせないから」
ベッド横のチェストの上に置かれたプラスチックのボトルの蓋を開くと、中身をたっぷりと隆則の尻に垂らした。
「ひっ!」
割れ目を通って透明な液体が蕾にたどり着くと、要望通りその滑りと共に久しぶりに使う蕾を乱暴に暴き始めた。
「あああっ……んん、くるしっ」
泣き言を口にしながらも心ではそれを望んでいた。罰して欲しいのだ。あんなにも自分に優しくしてくれていた遥人を汚したことを。女の子と交情している場面を想像していたはずなのにいつからか自分を抱いている彼を想像してしまった、浅ましい自分を毀したかった。もうセックスするのが怖くなるくらい、遥人相手に変な想像をしないくらいにめちゃくちゃにして欲しい。けれど、相手もプロだ。乱暴にとの依頼通りのことをしながらも的確に隆則に快楽を与えていく。準備不十分で突き挿れられても苦しくはあったが毀れることはなく、バックで犯し続けた。
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