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第10話-4

 言葉にして一層自分を傷つける。けれどこれが現実で事実だ。自分に優しくしていたのは雇用主だっただけでゲイなどと知っていたら彼は果たしてこの援助を受け入れただろうか。  想像しなくてもわかる、応えは否だ。誰だってそんな危険な場所に身を置きたいはずはない。知らなかったからこそ、遥人はここでの仕事を引き受けてくれたのだ。面倒な一回り以上も年上の、おじさんの面倒を。  涙を零しながら弱々しく笑う。 「俺が出てくから、君はここにいてくれていい。大学卒業するまで助けようって決めてるから……」 「なにバカなこと言ってるんですかっ!」 「でも嫌だろ……ゲイと一緒に住むなんて」  しかも彼に抱かれる想像までしたのだ。気持ち悪いに決まってる。 「だから気にしないでこのままここにいて」  勉強だって大変だろう、以前のようにアルバイトで生活費を稼ぎながらの勉強は無理に決まっている。対して隆則はスマートフォンとパソコンとネット環境さえあればどこでだって生きていける。ならこれが一番合理的なんだ。 「できるだけすぐに出ていくから……」 「あー、もうっ!」  掴んだままの腕を引かれ、無理矢理立たされた。そして強引な力で連れていかれたのは、彼が住み始めてから一度も足を踏み入れたことがない、遥人にあてがった部屋だ。綺麗に整ってデスクの上には最低限の物しか置かれていない、シンプルで綺麗な部屋の奥には、身体の大きな遥人のために買ったダブルベッドがある。そこへと投げ出され、痛みに呻いた。  今日はこんなのばかりだと思いながら、これから何をされるのかと怯えた。殴られるのだろうか……痛みに耐性がないからできるなら罵倒がいいと思いつつ身体を縮こませた。 「男同士のやり方とか俺、知りませんからっ!」  そう言いながら遥人がスウェットのウエストに手をかけ一気に引き下ろす。その摩擦で下着も股関節までずり落ちた。 「なっ」  なにをするんだというよりも早く、なにかが尻の間に押し当てられた。 「みずっ……いたっ」  それが数時間前までガンガンに犯されていた場所へと無理矢理に潜り込もうとする。 「いたいっ……やめっ」  けれど痛いはずなのに、何もしていない時よりも緩くなっている蕾はぎしっぎしっときしませながらもそれを受け入れて奥へと導けるように広がっていく。

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