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第10話-6
このまま消えてしまえ、自分の存在なんて。
隆則は絶望を胸の中に埋め尽くしながらひたすら泣いた。
ギュウギュウに締め付けられたまま何度も抽挿を繰り返した遥人が、熱くなった内壁に欲望の蜜を吐き出したのは隆則の涙がマットレスにまで染み込んでからだった。年甲斐もなくエグエグと啜り泣く隆則から力を失ったものを出すと、追随するように白濁の蜜がそこからタラタラと流れ落ち太ももを伝う。
初めての感触に隆則は身を震わせた。
「ちくしょう!」
いつもとは違う乱暴な言葉を吐き出して隆則の身体を返した。
「やっ」
泣きすぎて醜い顔を見られたくなくてまだコートに包まれている腕で必死に顔を隠すのに、それすらも大きな手に掴まれベッドに固定された。
「っ……みないで……」
抵抗しても力の差は歴然だ。強い力から腕を抜こうと藻掻くが摘まんだ蟻が蠢くほどの抵抗にしかならない。
「だめですっどんな顔してそいつとやったか見せてくださいっ!」
「やっ……だ……」
いつの間に下肢から布をすべて脱ぎ去った遥人の筋肉質な足が器用に隆則のスウェットと下着を足首から抜き取ると、そのまま身体を太ももの間に割り込ませ達ったはずの欲望をまたねじ込んできた。
「もっ……いやだっ」
遥人の蜜が助けとなりスムーズに奥まで挿り込むと、またさっきのように動き出した。今度はどんに締め付けても蜜の滑りのせいで彼の動きを阻むことはできず、合わせて濡れた音が立ち始めた。
泣きすぎた眦が赤くなり、そこを新たな筋を作りながら透明の粒がいくつも流れ落ちていく。
「なんでっ嫌がるんですかっ! 俺のことが好きなんでしょっ」
言葉の区切りと同じタイミングでパンッパンッと肉のぶつかる音が高く響く。その大きな動きがさっきとは違い隆則の感じる場所を強く突いた。
「ひっ……だめっ」
「……これ、ですか?」
もう一度大きく腰を動かしながら、先端でその場所を確かめるように分身の奥の部分を狙う。
「あっ…………やめて、やめてやめてっ」
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